さくらインターネット研究所は、2011年3月1日から、「6rd(IPv6 Rapid Deployment)」方式を用いたIPv6接続テストサービス『さくらの6rd』(トライアル)を提供開始している。
「6rd」とは、既存ユーザーへのIPv6対応方法において、ネットワークの構成変更が少なく、また、通信品質の確保が可能な方式のこと。
同研究所では、各OSの実装状況の調査や動作検証などを行った結果、問題なく利用者への提供が可能な技術であることが確認できたため、先行して既存の利用者向けに同方式を用いたIPv6接続テストサービスを開始することになったとのこと。
同サービスの開始により、「さくらのVPS」や専用サーバ、あるいはハウジングサービスなど、サーバの管理者権限が利用者に提供されている「さくらインターネット」の既存IPv4サービスを利用中のユーザーは、申込み不要でIPv6接続環境を構築することが可能となる。
現在のインターネット通信の主流となるプロトコルIPv4は、2011年2月、IPアドレスの管理組織IANA(Internet Assigned Numbers Authority)の在庫が枯渇したことを契機としており、今後しばらくは、他の地域組織の在庫からの割振りが継続されるが、日本が含まれるアジア・パシフィック地域のRIRであるAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)の在庫も、2011年中盤には枯渇すると予測されている。
IPv4アドレスの在庫が枯渇した場合、新たな割振りができなくなり、新規のユーザをインターネットに接続できなくなる可能性があるなど、インターネットの発展に影響を及ぼす恐れがあると言われている。
ちなみに、Ipv4は、3桁の数字が4ブロックに分かれた構成で、ひとつのブロックの数字は0から255までと決められているというもので、Ipv6は、4桁の16進法の数字が8ブロックに分かれた構成となっているというもの。Ipv4が2の32乗個のアドレス数であるのに対して、Ipv6は、2の128乗個となる。
さくらインターネット研究所とは、インターネットデータセンター事業を運営するさくらインターネット株式会社の研究組織のこと。
実は、かなり深刻な問題。これから起こるであろう影響を考えた場合、ある意味「2011年問題」といえる類のものなのだろう。
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