大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、紙の印刷物にツイストボール方式の電子ペーパーと、有機ELパネルを組み合わせ、変化する絵柄や文字を表示できる電子ポスターを開発した。
DNPは、この電子ポスターで、プロサッカーチームのJ1ベガルタ仙台の応援ポスターを作成し、2010年10月から12月まで仙台市内5ヶ所に設置して、生活者の反応やポスターの耐久性などを検証する実証実験を行うとのこと。
今回開発した電子ポスターは、印刷用の紙の基材、電子ペーパー、有機ELパネルで構成されている。
この電子ペーパーは、球体状の微粒子を半球ごとに白と黒に塗り分け、この粒子をシート状に配列して電極で挟み、電圧を加えると粒子が回転して、2色のどちらかが前面に出て色を表示するツイストボール方式を採用しており、黒以外では、赤、青、緑色のいずれかを表示することができる。また、有機ELパネルでは、試合日程などの可変文字情報が単色で表示される。
DNPはこれまで、2009年4月に、有機ELと無機ELを一体化した“光るポスター”を、2009年9月に、ポスターの全面がスピーカーとなって高品質な音声を出す“しゃべるポスター”をそれぞれ開発してきており、また、2010年9月には、生活者の会話を周囲の人に聞こえないようにするスピーチプライバシー用の音楽データ生成ソフトを組み込んだポスターを開発するなど、生活者の注目効果や付加価値の高いポスターの製品化に取り組んできている。
実証実験では、ベガルタ仙台オフィシャルショップ「カーサベガルタ」や仙台駅地下鉄ベガルタコーナーなど、仙台市内の5ヶ所にこのベガルタ仙台応援電子ポスターを設置し、ベガルタ仙台の試合観戦の誘客効果を検証するとともに、同ポスターの訴求効果や耐久性、稼働状況などを検証する予定となっている。
ちなみに、EL(Electro-Luminescence、エレクトロルミネッセンス)とは、電圧をかけることによって発光体が光を放つ現象のことで、それを利用したデバイスについても同様の意味としている。発光体が無機化合物の場合は無機EL、有機化合物の場合は有機ELと呼ぶ。
3D技術が映画をつまらなくしたように感じるのは私だけであろうか。要は使い道。紙媒体の手軽さ、あるいは儚さは、維持すべき魅力のひとつ。
大日本印刷株式会社リリース