ビジネスサーチテクノロジ株式会社は、2013年1月17日、自社開発の全文検索エンジン『WiSE(ワイズ)』の最新版である『WiSEVersion2.6』(以下、『WiSE2.6』)の提供を開始したことを発表している。
今回リリースされた製品の特長は、「2D検索」。従来の全文検索処理には、検索性能を高めたデータベースが用いられているが、データ管理性能の維持のために、「一つのキーに対して一つの値」という原則があり、「一つのキーで複数の値」を分類して出力する処理には適していないといわれてきた。
いわゆる「Excel」の斜め見?
同社が、今回、新たに追加した2D(二次元)検索では、二次元データを展開することなく、顧客別の範囲を指定した「検索・表示・並べ替え」処理を、通常のテーブル構造のまま実行でき、「得意先別/特別価格」のようなユーザ軸での出し分けのほか、時間軸での「時間帯別/セール価格」やアイテム軸での「SKU別/在庫有無」といったシーンでの活用が期待されている。
ちなみに、今回提供される機能と従来方式による2D検索の性能比較(当社比)をみると、「インデックスサイズ」は、約4分の1、「インデクシング時間」が、約10分の1、「検索応答平均時間」は、約2分の1となる。さらに、『MySQL』というRDB(リレーショナルデータベース)で、同様の処理を行った場合との比較結果をみると、検索応答平均時間が、約15分の1にまで短縮されるようになっている。
「検索エンジン」とは、インターネットで公開されている情報を、キーワードなどを使って検索できるウェブサイトのこと。公開されている情報の全文を蓄積しておく「全文検索型」と、カテゴリ別に分類されている「ディレクトリ型」の2種類に区別される。日本国内でみると、『Google』は、全文検索型、『Yahoo!JAPAN』が、ディレクトリ型として知られている。
今回の機能強化のターゲットは、ネット通販などの“eコマース”。なかでも、「BtoB」と呼ばれる企業間の取引が、より円滑に行われることにある。株式市場もシステム化される時代だからこそ、“タイム・イズ・マネー”が顕著になっているともいえそうだが、扱う「人」が振り回されないよう、理解を深める術も提供してくれるとありがたい。
ビジネスサーチテクノロジ株式会社リリース