資生堂のグローバル生産体制強化にむけ、ベトナム ドンナイ省ビエンホア市アマタ工業団地内に建設中だった、世界で15番目の工場となる化粧品の生産工場が2月に竣工する。
資生堂は、「日本をオリジンとしアジアを代表するグローバルプレイヤー」となることを目指し、2008年からの3ヵ年計画を推進している。海外売上構成比は2009年3月期で約38%を占め、同比率を2017年度には5割超に伸長させていくことを長期目標として掲げている。
これにともない、グローバルレベルでの生産体制強化、なかでも、中国をはじめとして拡大成長を続けるアジア市場に向けた対応が喫緊の課題となっていた。
そこで、アセアン諸国の中心に位置し、輸送コスト、時間の短縮、アセアン域内関税といった地理上、輸出上などの好条件に加え、若く活力のある労働力に恵まれたベトナムに、2008年、100%出資の生産会社「資生堂ベトナム有限責任会社」を設立し、同年12月に新工場を着工した。
2010年2月の竣工後は、4月から本格稼動を始め、まず日本国内向けに男性用化粧品、整髪料、洗顔料などの生産が行われる予定。今後は、2011年度から始まる次期3ヵ年計画のなかで本格展開となる「マステージビジネス」の主力生産拠点として、将来的に大きな成長が期待できるアジアの中間所得層をターゲットとする製品の生産を行っていく方針だ。
新たに竣工するベトナム工場は、同社のグローバル戦略の拠点の1つ。今後、ますます伸びていくことが期待されるアジアにあって、同社のグローバル戦略の成長も、同時に大きく期待されることだろう。
(編集部 小板橋)