大町市は、2013年が、黒部ダム完成50周年となることから、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口にあたる、同市の知名度アップと観光客の増加を図る目的で、4月から記念イベントを実施する。
イベントは、12月までのロングラン
今回の記念イベントは、4月16日のアルペンルート全線開通に始まり、12月15日までの、8か月にわたる長期のもので、イベントのシンボルとなる黒部ダム関連では、50周年限定の企画として、トンネル内の破砕帯区間を徒歩で歩く「破砕帯見学ツアー」が月2回の頻度で実施される。
さらに、黒部湖遊覧船『ガルベ』では、7月20日から8月31日の期間に、団体客を対象とする、「特別クルーズ」が運航されることになっている。ちなみに、『ガルベ』とは、「黒部」の語源といわれるアイヌ語を元にした名前の、2000年に就航した船舶のこと。日本で最も高所を運行する遊覧船といわれている。
関係者の艱難辛苦をしのび
また、建設当時の貴重な資料や映像などを集めた「特別企画展」や、当時の作業員が飲んでいた、ぶどう酒と焼酎を混ぜた『破砕ロック』の復刻など、史上最大の難工事ともいえそうな困難を克服してきた関係者の苦労をしのばせる催しも予定されている。
近頃の地域のイベントに欠かせないマスコットキャラクターの名前は、『くろにょん』。工事帽やシャベルを身に着けて、土いじりと水浴びが趣味という、猫を擬人化した“ゆるキャラ”が、イベント期間中の「案内役」を受け持つそうだ。
立山黒部では、4月とはいえ、「雪の大谷」のように、10メートルを超す雪の壁が来る人を驚かせることだろう。ダムの是非はともかく、人々の叡智により実現した山深くそびえたつ黒部ダムは、50年を経て、その存在感を際立たせているようだ。この機会を逃す手はないといったところだろうか。
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