2008年リリース
メンバーそれぞれが役者だったり別バンドで活動したりと、様々な顔を持つ男たちが集結して、インストという一つの表現に真摯に向き合うバンドのサード・アルバム。レコーディングではメンバーがエンジニアに追い込まれ、喧嘩しながらも絞り出したと語っているように、産みの苦しみを乗り越えた先に待っていた純粋な音をそのまま詰め込んでいる。
(画像はAmazonより)
脱力してリラックスの境地を垣間見たかと思えば、急かすような速いテンポで今にも踊りだしたくなる。聴けば聴くほどいろんな感情が次々と生まれてきて、不思議な感覚に陥ってしまう。サウンドの緩急によって操られる感情、それがこのバンドの醍醐味かもしれない。ライヴでは会場さえも支配してしまう独特の世界観も併せ持つ。
ヴォーカル/トロンボーンの浜野が真面目に演奏する姿と、MCにおける期待を裏切らないユーモアを同時に体験できるのはSAKEROCKのライヴだけである。そしてメンバーがサイド・ワークから戻る場所もここにある。2011年12月26日を最後にバンドを去る決断をした田中馨も、いつかこの場所に戻ってきて欲しい。
(松本 良太)
収録曲
1.会社員
2.菌
3.ホニャララ
4.老夫婦
5.餞(はなむけ)
6.やおや
7.最北端
8.千のナイフと妖怪道中記
9.におい
10.灰空(はいから)
11.今の私
12.エブリデイ・モーニン