2005年リリース
ジャンプ&ジャイヴをこれほどまでに小意気に表現できる日本人がいるなんて!それがこのアルバムを初めて聴いた時の第一印象である。1940年代にタイムスリップできる要素も秘めているし、そのまま現代でも十分楽しめる。なぜならルーツとしてのジャンプ&ジャイヴに敬意を払いながらも、楽器の音などサウンド全体はモダンであるからに他ならない。
(画像はuniversal musicより)
この作品における主人公は完全にakikoのヴォーカルである。ギターやホーン、鍵盤などといった各パートもスウィング感を演出しているが、一歩ないし半歩引く形で演奏しており、ヴォーカルを引き立たせることに徹している。akikoのヴォーカルは甘く、力が程よく抜けていて聴く者を癒す効果がある。しかしバック・バンドが奏でる音は踊り出したくなるようなジャンプ&ジャイヴであり、癒されながら高揚するという、ともすれば相反するような感情が同居するという何とも摩訶不思議な気分に陥ってしまう。
温故知新という言葉は、彼女が表現する音楽のためにあるのかもしれない。
収録曲
1.It Don't Mean A Thing(If It Ain't Got That Swing)
2.Around The World
3.Flat Foot Floogie
4.Is You Is Or Is You Ain't My Baby
5.I Want You To Be My Baby
6.Mr.Sandman
7.I'm Beginning To See The Light
8.The Music Goes 'round And 'round
(松本 良太)