樹木は微量の電位を発している
2012年2月12日22時からNHKで放送されるETV特集で、坂本龍一が出演する。各地の森に生息している樹木から、生体電位を測定し、そのデータを材料にして作曲しようという内容。森から生まれる交響曲とはどんなものなのか、完成した曲とともに、その制作過程も興味深いものとなりそうだ。
(画像はwww.skmtcommmons.comより)
坂本は、2007年に森林保全団体の立ち上げも行うなど、森林への関心は高い。昨年の震災により、森への思いはより高まったという。番組では、宮崎県諸塚村とニューヨーク・キャッツキルの森を訪れた時の様子も放送される予定だ。さらに震災で大きな被害を受けた陸前高田で、7万本のうちわずか1本だけ残り、有名になった「奇跡の一本松」。その生体電位も測定され、交響曲の一部となっていく。
樹木の電位を音楽に置換
番組では、生体電位の測定とフォレスト・シンフォニーの制作過程、そして文化人類学者で「宇宙樹」の著者・竹村真一と坂本龍一の対談も放送される。樹木の生命を音楽に転化するという、坂本ならではの発想、そして生体電位を音で表現する方法。想像もつかないアイデアに触れることで、普段は使用しない部分の脳を刺激されることだろう。制作過程をどこまで公開するのか、こちらも注目しておきたい。
(松本 良太)
NHK ETV特集www.skmtcommmons.com