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2024年05月13日(月)
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早川義夫の『たましいの場所』

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早川義夫の『たましいの場所』

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バンド、本屋、そしてまた音楽へ

若くして「ジャックス」のメンバーとしてデビューした早川義夫。彼のエッセイ『たましいの場所』は、先日テレビ東京で放送された番組「ワールドビジネスサテライト」のワン・コーナー「スミスの本棚」で、宮藤官九郎が紹介していた。宮藤が深い感銘を受けた本の内容とは、どんなものだろうか。

早川義夫

(画像はAmazonより)

この本には、早川の家族やペットの話、学生時代の思い出など、個人的な内容のものから、曲作りに関することやライヴ体験談など音楽についても、彼自身の言葉で綴っている。この本を読んでいると、早川の話を聞いているような錯覚さえ起こる。それほど話し言葉に近く、本心を飾ることなく赤裸々に公開しているように感じる。

批評家は何を生み出しているのか

この本には、「批評家は何を生み出しているのでしょうか」というタイトルの文章がある。新しく発売されたCDないし作品を批評し、点数をつける、という行為に真っ向から批判している。作品に文句があるのなら、自分がお手本を見せなさい、という早川の考えは正論だ。おそらく作品を評論家によって否定された表現者は、この意見に大いに賛成することだろう。早川は続ける。「評論という仕事は、いったい何なのだろう。僕は思う。評論という形式で、自分を表現するのが評論家なのではないだろうか。人の作品に説明を加えたり、評論を下すのが評論家なのではない。」「本当の評論は、人のことより、自分のことを書く。自分がいったい何者なのかを書く。なぜそれに感動したのか。感動はどこからやって来るのか。なぜそれに感動しないのか。自分の心を書く。」「文章で音楽を論ずるなら、文章で音楽を作り出して欲しい。批評が一つの独立した作品であって欲しい。たとえ、短い文章でも、音楽を語るなら、その言葉があなたの言葉であって欲しい。」

宮藤は、自分の作品が批評家によって批判され、落ち込んでいた時に、喫茶店に置いてあったこの本を手にとって読んだという。そして「批評家は何を生み出しているのでしょうか」を読んだ時に、背中を押されたような気分になった、と番組内で語っていた。この本の帯には、銀杏BOYZの峯田和伸が言葉を寄せている。その言葉は、「この本に、何回助けられたかわかんないよ」。この言葉は、これまで批評家に散々書かれてきた表現者の総意なのではないだろうか。

早川はジャックス当時の音楽を未熟だった、と考えているようだが、ジャックスの音楽に魅せられて音楽を始め、現在はプロデューサーとしても活躍している佐久間正英との出会いはジャックスだった、ということもこの本に少しだけ書かれている。ジャックス当時、早川は20代前半。本人が未熟と感じるのも当然だろう。40代後半になって再び音楽活動を開始した早川。40代となっていた彼の人生経験は、ジャックス当時のそれとは明らかに違う。人としての深みを携え、作品に対し真摯に向き合う彼にとって、未熟だったという思いも創作活動のモチベーションの一因になっていることだろう。自らの歴史を、自らの手で塗り替えるように。早川は現在も、東京を中心にライヴを行っている。

(松本 良太)

外部リンク

早川義夫公式サイト
Amazon.co.jp : 早川義夫 に関連する商品
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