
鹿児島県いちき串木野市(旧日置郡市来町)は2月1日より「
市来一般廃棄物利用エネルギーセンター」構造物一式を最低売却価格1万円で売りに出した。
市来一般廃棄物利用エネルギーセンターは
東京工業大学大学院の吉川邦夫教授の考案したSTAR-MEETシステムと呼ばれる「画期的」な廃棄物ガス化システムを採用し国庫補助金など総額約10億円をかけ建設された世界初のゴミ処理発電施設で市来町は余剰電力の売電、予熱を利用しての農業振興を計画していたという。
BSE、狂牛病で処理に困っていた肉骨粉を一般ゴミと混合処理してガスを発生させ、これを燃料として発電し、おまけにダイオキシンも有害物質も出さないという夢のようなゴミ処理発電所は果たして夢のまた夢、しかも悪夢であった。
ガス中に不純物が混ざりそれが除去出来ないので発電機を回せない、システムの根幹がそもそも駄目だったという笑うに笑えない出来損ないの発電施設なのが早々に発覚し稼働停止。しかも今回の入札条件に「解体、撤去、運搬、処分はダイオキシン類対策特別措置法に則って実施する」とあるのでダイオキシン類も発生していると思われる。
まともに稼働しない施設に対し、環境省は当然ながら国庫補助金の返還を求めた。その結果、市は3年前から約2億円を10年払いで返還中。吉川教授の実験段階のシステムに十分な検証もせず飛びついてしまった市は、杜撰な説明でゴミを売りつけたと教授と教授が役員を務める施設設計会社、及び施工会社に建設分10億円の損害賠償を求めて提訴、係争中である。
机上の空論、いい加減なお役所仕事に振り回された市民の10億円の鳴り物入りの施設は処分の為、一万円でなんとかお引取り願うというなんとも酷いオチとなった。
【鹿児島県いちき串木野市】