国内最大級の無料フェス
2010年から始まった神戸の音楽フェス、COMIN’KOBE。今年は5月5日に開催され、130組のミュージシャンが出演する、規模の大きい音楽フェスだ。毎年数万人が集まるCOMIN’KOBEは、何と入場料が無料なのだ!COMIN’KOBEが無料ということには、理由がある。
(画像はCOMIN'KOBE'12より)
もともとCOMIN’KOBEは、2005年に始まったGOING KOBEが名前を変えて、新しく生まれ変わった形となる。GOING KOBEは、阪神大震災から10年が経過し、神戸が復興している姿を届ける、ということを目的として始まった。また、GOING KOBEでは募金を集め、阪神大震災だけでなく国内や海外の大規模震災の被災者へ募金を届ける、という活動も継続して行ってきた。その目的と意志は、COMIN’KOBEでも引き継がれている。
(画像はCOMIN'KOBE'12より)
無料を継続させるのは至難の業
今では全国各地に無料の音楽フェス、イベント等が広がっている。音楽ファンとしては非常に喜ばしいことだが、無料という性質上、毎年継続して開催できるのかという懸念も少なからずある。COMIN’KOBEのようにいくつものステージで多くのミュージシャンが出演する、ということはそれだけ出費もかかるということだ。ステージ設営費、音楽機材費、運営費、ミュージシャンへの出演料、警備費、宣伝費など、他にも多くの出費項目があるはずだ。しかしCOMIN’KOBEは、チケット料は取らない。それなら募金を、というスタンスを貫いている。特に昨年は、東日本大震災もありCOMIN’KOBEの存在意義は大きかった。実際に1日だけで400万円近くの募金を集めている。入場無料を継続するだけでも大変なはずなのに、さらに募金を集めるという明確な目的を数年にわたって達成している。この大規模チャリティー・フェスの存在は、全国に認知され評価されるべきだ、そう思えてならない。今年もそんな目的を携えて、神戸の街を音楽で染めていく。
(松本 良太)
COMIN'KOBE'12