
フランスで現在開催されているカンヌ国際映画祭の理事会が、デンマークのラース・フォン・トリアー監督を、今回の映画祭から事実上追放する声明を発表した。
(画像はトリアー監督、キルスティン・ダンスト主演『Melancholia(原題) / メランコリア』公式サイトより)
これは、トリアー監督が現地時間の18日に行われた公式の会見で、コンペティション部門で参加している自身の作品(『Melancholia(原題) / メランコリア』)内で使用しているワーグナーの曲について語っている際に、
「自分は少しヒトラーにシンパシーを感じる」、「OK. おれをナチと呼んでもいいよ」といった、あたかもヒトラーを擁護する発言をしたことに端を発している。
会見中はジョークとしか捉えられていなかったようだが、映画祭側はこの発言を問題視し、トリアー監督を「好ましからぬ人物」として事実上の追放を発表するに至った。
トリアー監督もこのことに関し謝罪するものの、受け入れられず、今後は映画祭の会場にすら入ることは許されないという。
ただ今回の参加作品はコンペティションの対象になるということで、ロバート・デ・ニーロ審査委員長をはじめとする委員たちがどのような審査を下すのか気になるところだし、またこのことによって作品にさらに注目が集まるというのも何とも皮肉な感じもする。