
小田和正、63歳。団塊の世代に属するシンガーソングライターだ。その美声は、いまだ衰えることなく、老若男女を引きつける。そんな小田が2年5カ月ぶりの全国ツアー「KAZUMASA ODA TOUR 2011 "どーもどーも" その日が来るまで」をスタートさせた。
全国ツアーにかける思い
実は、小田の5大ドームを含む全国ツアーは、単独アーティストとしては、国内外問わず最年長で、自己の記録を塗り替える。しかし、今回、3月26日から行うはずだったツアーは、東日本大震災の影響で、5月7日「長野BIG HAT」の公演からの開始を余議なくされた。当初予定されていた宮城県や岩手県などの4会場7公演は見送られ、いくつかの公演は日時変更となった。
東北大学工学部出身の小田は、東北の被災地への思いも強い。長野でのMCでは、「精神的にも物理的にも(公演は)無理だと思った」と語った。震災の犠牲者の中に、公演を楽しみにしていた人がいたかもしれないという思いは、小田の心を一層痛め、一時はツアーの中止も考えたようだ。
しかし、最終的に、「被災地の皆さんが喜ぶその日がくるまで、明るく走り続ける」と、全国ツアーを決断した。公演は10月26日の横浜アリーナで終了するが、被災地の状況に配慮しながら、岩手や宮城での公演も検討していくとのことだ。
音楽の力は計り知れない。透き通った小田の声が、被災地の方々に直接届く日が早く来ることを願ってやまない。
小田和正公式ホームページ