日本クレジットカード協会は、スマートフォンを利用したクレジットカード決済について、「スマートフォン決済の安全基準等に関する基本的な考え方」をとりまとめたことを公表した。
今回のとりまとめは、同協会が、スマートフォン決済のあり方に関する検討を行うワーキンググループを2010年10月に組成し、検討を行った結果として位置付けられている。
取りまとめた内容では、「カード会員にとって、安心・安全な取引を実現するためのスマートフォン等によるクレジットカード決済端末の必要最低限の安全基準」が定義されており、「アプリケーション」や「周辺機器」等、スマートフォンを決済端末として利用する際に必要となる仕組みごとにあるべき安全基準が整理されている。
同協会は、今後は、公表した内容をベースとした「業界統一のガイドライン」が策定され、関係者がこれを遵守することで、安心・安全なスマートフォンによるクレジットカード決済環境が構築できることを期待しているとのこと。
現在、スマートフォンが、現行の一般的なクレジットカード端末と比較した場合、セキュリティ面において課題があることから、今後クレジットカード番号等の漏えいや不正利用等の事故が発生し、クレジットカード会員の安全とクレジットカード業界の信頼が脅かされることが危惧されている面からの銀行を中心とした業界からのアクションともいえる。
デザイン性の高さに目を奪われることも多いスマートフォンであるが、パソコンと同様にインターネットにつながることには変わりなく、ページが変わるごとに情報のやり取りをしていることは、認識しておかなければならない。今回の件は、最低限からの基準設定とあるが、クレジットカードのネット決済は、eコマースサイトの構築の際にも、最も注力される個所であり、その認定基準には高いハードルが設定されている。厳しさも必要だ。
日本クレジットカード協会リリース