(画像は『100000年後の安全』より処理場へ向かう冒頭シーン)
フィンランドに建設中の放射能廃棄物処理場をテーマとした、真摯なドキュメンタリー作品『100000年後の安全』が注目されている。同作品は今年秋に公開が予定されていたが、先の震災を受ける形で現在公開中。上映は東京・渋谷のアップリンクにて午前の部1回のみであるが、配給側によると順次、上映を拡大する予定だという。
筆者はこれを偶然現地にて鑑賞。評価は5点中4点としたい。全体としては英国BBCのドキュメンタリー番組風。音楽に自然音4割、無機質音4割、クラシック曲2割。構成にナレーション入り風景5割、インタビュー風景4割、監督コメント1割――といったところ。
あまり知識を詰め込んではいないのであっさり鑑賞出来るが、テーマが重い。実に真面目な描き方をしており好感が持てるが、もう少し遊びを入れても良いのでは、という印象。(1点減点)ドキュメンタリーとしては良質の作品。「我々の文明生活は見知らぬ場所で勝手に成立しているのではない」という真摯なメッセージが読み取れる。