株式会社松井証券は、2011年10月中旬(予定)から、大阪証券取引所(以下、大証)と提携して、決済の仕組みに焦点を当てた『即時決済信用取引』の取扱いを開始することを発表した。
今回、取扱いを開始する『即時決済信用取引』では、「貸付」と「返済」を「約定」と同時に行うことで、新たな保証金を用意することなく、銘柄が同一か否かにかかわらず1日に何度でも日計り取引をすることが可能となる。
『即時決済信用取引』の手数料は、無料で、『即時決済現物取引』についても、1日の取引金額が100万円以下の場合には無料となる。『即時決済信用取引』では、手数料の代わりに、金利・貸株料を1日につき100円あたり2銭が費用となる。
即時決済取引(そくじけっさいとりひき)とは、株式投資の場合に通常受け渡しまでにかかる期間がない取引のこと。株の現金化がその日のうちにできるほか、差金決済にならないなどのメリットがあるといわれている。
ちなみに、差金決済(さきんけっさい)とは、直接の現金の受け渡しを行わずに反対売買による差金で決済をする取引のこと。FX取引やCFD取引、先物取引などの、証拠金を預託して直接原資産の買い付けを行わない取引では、差金決済が行われるが、株式売買では禁止されている。
即時決済のファーストランナーが、大証に送り込むサービスは、取引数増化促進の効果を図っているようにもみえる。使いやすさが顧客満足度の向上に結び付かないところが、投資の世界の難しいところで、そこには、まず「利得」が優先であり、メリットと同時にデメリットも公開しておく配慮が大切なのではないだろうか。
松井証券リリース