株式会社村田製作所は、WirelessHD(WiHD)に準拠した第2世代モジュールWHDM-T005/R006を開発したことを発表した。
同モジュールは、フラットTV、またはブルーレイプレイヤー等、HD AV機器内に実装することにより、機器間でHD AVコンテンツの非圧縮無線伝送が可能となる。さらに、PC等の実装に適したDisplay Mini Card(DMC)を採用したスプリットタイプのモジュールも開発中となっている。
同モジュールは、SiBEAM社の第2世代チップセットを用いており、より小型で、かつ熱拡散や電磁波の干渉を考慮した設計をしているため、HD A/V機器に搭載しやすい構造となっている(第1世代と比較し、小型に、また3Dビデオやバックチャンネルオーディオ信号伝送も可能になった)。また、ノートPCやTV等の機器内配線の利便性を考慮して、DMC規格に準拠したスプリットタイプモジュールの開発も行っている。
「Display Mini card」とは、PCI Half Mini Cardの拡張版としてPCI-SIGで提案されているPCインターフェースカードの形状のこと。
「Wireless Video Area Network」とは、WiHDで定義されたネットワークアーキテクチャ。コーディネータ (TV)とステーション(ブルーレイプレイヤー、AVレシーバー、セットトップボックスなど)で構成されるパーソナルエリアネットワークのこと。
WiHDとは、家庭内で映像や音楽などのAVコンテンツを60GHzのミリ波帯を用いて無線伝送するための技術のこと。Broadcom、Intel、LG Electronics、パナソニック、Philips、NEC、Samsung、SiBEAM、ソニー、東芝の10社がプロモータとなって、業界団体WiHDコンソーシアムを構成し、WiHD規格を制定している。最初の規格であるWiHD1.0仕様は、2008年1月に策定を完了した。IEEE802.15.3c仕様に基づく60GHz、を用いた最初の国際標準となった。現在、コンソーシアムには、プロモータの他、アダプタとして約40社が加盟している。
空間を浮遊する電波の群れは、混線と同時に盗用危険性も含んでいる。見えない電波戦争は、一般ユーザーには手の届かないエリアであり、身に覚えのないコストの付けは願い下げとしたいものだろう。
株式会社村田製作所リリース