大日本印刷株式会社は、小型の魚眼補正コアモジュールを開発したことを発表した。
同社は、2009年6月に、魚眼レンズカメラで撮影した映像をリアルタイムで平面画像に補正・変換する技術を開発し、今回、この技術のコアの部分であるIC(FPGA)がモジュール化されたうえで提供される。システム会社や監視カメラ、FAカメラのメーカーは、同モジュールの利用により、魚眼レンズカメラの補正・変換機能を手軽に自社のカメラやシステムに組み込むことが可能となる。
今後は、監視カメラ、製造ラインでの製品検査に利用するFA(ファクトリー・オートメーション)カメラ、テレビ会議システムなどの用途に向けて、12月8日にサンプル提供が開始される。
なお、量産開始は、2011年春の予定となっている。
同モジュールは、カメラに接続するモニターやパソコンの画面上で、魚眼レンズカメラで撮影した原画像から任意の点を選択し、任意の倍率で平面画像を表示できるほか、水平方向の視点を維持したまま補正画像を上下させる「オフセット機能」により、人物を垂直に保ちながら表示することも可能で、また、任意の補正点を1~9箇所まで選択して同時に表示でき、平面画像や全域を表示するパノラマ画像に変換することも可能となっている。
さらに、周囲の明るさに応じて画面のコントラストを自動で調整する「コントラスト補正ASIC」も提供されており、同機能を、魚眼補正モジュールに組み合わせることにより、夜間など暗い場所の監視カメラにも利用できるとのこと。
ちなみに、FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、製造後にプログラミング可能なICのことで、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とは、特定用途に向けて、複数の機能を持つ回路を1つにまとめた集積回路のこと。
どこまで「見逃さない」ことが、監視などの用途においては必要な要素である。いまある魚眼カメラがそのまま利用できるのであれば、その可視範囲も全方位へと広がってゆくのだろう。
大日本印刷株式会社リリース