躍動感あるアニメ絵
あの監督東京都三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館で公開されている短編アニメ「パン種とタマゴ姫」は、宮崎駿監督(69)にとって2年ぶりの新作。短編とは言え、ファンたちの喜びの声が聞こえて来る。
舞台は架空のヨーロッパの集落。森に住む魔力を持つ老婆、バーバヤーガにタマゴ姫が捕らわれている。ある日、姫がパン種をこねていると、パン種が突然生命を持って動き出す。2人は手をとりあってバーバヤーガから逃げ出す。これが物語の筋である。作風はさすが宮崎とあって、一辺倒な現実の模写ではなく、躍動感溢れる柔軟なキャラクター、風景の動きが垣間見られる。
宮崎はこの映画作品を閃いたきっかけとして、日本の「おむすびころりん」のように西洋でもパンが逃げ出すお話があり、「パンになる前のパン種ならネバネバグニャグニャ逃げ出すのかナァ…、そんなことを考えているうちに、この映画を思いつきました」と語った。作品は来年3月14日までの限定公開。同美術館は日時指定の予約制。問い合わせは(電)0570・055777。