歴史に名を刻む殿堂
月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」の最新3月号が、オペラの殿堂たる世界の15歌劇場を紹介している。保存版という副題の通り、音楽史、また建築史として、充実の内容となっている。
同雑誌では、メトロポリタン・オペラ、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、ロイヤル・オペラなど、欧米各国それぞれを代表する歌劇場が紹介。歌劇場と言えば19世紀頃に隆盛を極め、それ以後はどこか伝統的な古臭さのあるイメージだが、現代に沿ったあらゆる改革がなされている。
一例としてニューヨークのメトロポリタン・オペラは、毎年200回超の公演を実施し、動員数は80万人、年間経費は2億6600万ドル(約220億円)という大規模なエンターテイメント媒体だ。上演オペラを映画館で鑑賞出来るシステムや有料衛星ラジオによる生中継、インターネットによる有料配信など、時節柄を的確に捉えたビジネススタイルを築き上げている。取材を受けた関係者は「新たな行動によって新たな観客を開拓しなくてはいけません。これまでの観客は年老いていくばかりですから」と語る。「モーストリー・クラシック 3月号」は書店、アマゾン等で発売中。定価1000円。