
今季から浦和レッズを指揮するペドロヴィッチ監督は、日本を敬遠する欧米人が多い中で実に毅然としている。
旧ユーゴ内戦経験者
ペドロヴィッチ監督は旧ユーゴスラヴィア(セルビア)出身。現在の国籍はオーストリアである。3月25日、10日ぶりにオランダから埼玉の自宅に戻った監督は、その夜、計画停電に見舞われた。しかし、ユーゴスラヴィアの内戦を経験した監督は泰然自若としている。「子供の時は、街に出ても灯りが無い時があった」と少しも動揺しない。
クラブによっては、西日本に避難しようという所もあるようだが、浦和レッズは、そのまま浦和で練習を続ける。監督が何よりも選手とその家族との絆を重んじているからだ。
そして、監督は、日本政府や原発に否定的な欧米メディアの報道に対しても、「日本を信じる」姿勢を崩さない。水の放射能汚染を懸念して、シャワーを浴びるなという声もあったらしいが、監督は気にしないと語調を強める。
内戦を経験し、悲惨な光景を目の当たりにした監督は、被災地の人々に思いを馳せ、また、福島原発で懸命に復旧作業をしている人々と家族を心から称賛するのだった。
こんな力強い指導者を得た浦和レッズの今後の活躍が期待される。
浦和レッズ