[無骨な顔したイナセな男、逞しく頼れる好人間、グッドウィルやボーン]

クリント・イーストウッド監督、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領の史実を元にしたヒューマンドラマ傑作、『インビクタス/負けざる者たち』にてモーガン・フリーマンと共演している俳優、それがマット・デイモンである。その容姿は無骨ながら、独特の味わいのある冷静さと明朗さ、そして逞しさとセクシーさを、鮮やかに醸し出している人物である。
1970年、アメリカのマサチューセッツにて生まれる。本名はマシュー・ペイジ・デイモン。父は証券売買人、母は大学教授。兄がいる。1972年、2歳、両親が離婚し、母に引き取られて生活を始める。幼少時代、パーティの中で劇を演じ、演劇に興味を抱く。少年時代は背が低く、これが揶揄、雑言の対象となるが、演劇に携わる事で気が紛れる。本格的に俳優を志そうと考えたのは、同時期からである。1985年、15歳、高校進学後は創作劇を企画、実行し、演劇の才能を磨く。1988年、18歳、ハーバード大学へ進学。勉学と並行し、ジュリア・ロバーツ主演『ミスティック・ピザ』などの映画、テレビドラマなどへ端役として出演を果たす。1991年、21歳、大学を中退し、本格的に俳優業へ専念。『青春の輝き』、『ジェロニモ』、デンゼル・ワシントン、メグ・ライアン共演『戦火の勇気』などへ出演し注目され、1996年、27歳、ロビン･ウィリアムズ共演、マット・デイモンが主演と共に脚本も手掛けた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』にて大成功を収め、一気にスターダムを駆け上る。尚、同作品においてデイモンはアカデミー脚本賞を受賞する。以後、『レインメーカー』、スティーブン･スピルバーグ監督『プライベート・ライアン』、モーガン･フリーマン共演『インビクタス/負けざる者たち』、ブラット・ピット、ジョージー・クルーニーら共演『オーシャンズ』シリーズ、ダグ･リーマン監督の洗練されたスパイ傑作『ボーン』シリーズなど、軽妙な作品から重厚な作品まで、広く好演を続けている。また、ジム・キャリー主演『マジェスティック』、ドリームワークス製作のアニメ作品『きれいな涙　スピリット』、宮崎駿監督のアニメ作品『崖の上のポニョ』米国版の耕一役など、声優としての評価も高い。

『レインメーカー』共演のクレア、『グッド・ウィル・ハンティング』共演のミニーらと交際した後、2005年、36歳、休暇先のマイアミで知り合ったアルゼンチン女性、ルシアナと結婚。ルシアナの連れ子1人娘の他、実娘が2人いる。エイズ撲滅、貧困救済、平和運動など、幅広い慈善活動を行っている。メジャーリーグのチーム、ボストン・レッドソックスの大ファンであり、2007年のワールドシリーズ優勝時には各種イベントに参加している。

ちなみに、コメディアンのジミー・キンメルが司会を務める人気のコメディ・トークショーでは、マット・デイモンをジョークの種に使う事がお約束となっている。実際にマット・デイモンが同番組のゲストとして出演した際にも存分にジミーがデイモンを茶化し、挙句の果てには激しい大喧嘩に発展している。動画を鑑賞するとデイモンが本気で激怒しているように見える――が、これはあくまでジョークである。他、最高に豪華なキャスティングや演出を施した壮大なミュージッククリップで茶化し合ったりと、まったく、面白い人たちである。



ムービーデータベース（IMDb、英語）
Matt Damon (IMDb、英語）