ルネサス エレクトロニクス株式会社は、2010年10月27日開催の取締役会において、モバイルマルチメディア事業を、吸収分割の方法により、新たに設立した同社の連結子会社「ルネサス モバイル株式会社」(以下、ルネサス モバイル)に対し、2010年12月1日を効力発生日として承継させること(以下、本会社分割)を決議したことを発表した。
モバイルマルチメディア事業では、携帯機器やカーナビゲーション向けを中心としたSoC(システム・オン・チップ)などを手がけている。
また、2010年7月6日に公表した、同社によるノキア・コーポレーションのワイヤレスモデム事業の買収を本会社分割に先立ち2010年11月30日に完了し、本会社分割により、同事業に関する権利義務もあわせてルネサス モバイルに譲渡・承継する予定とのこと。
同社は、ノキアのワイヤレスモデム事業を買収することで、世界中で数十億台の携帯電話に搭載されているGSM/W-CDMA/HSPA/LTE規格のワイヤレスモデム技術と、それを支えるエンジニア1,100人を獲得する。フィンランド、インド、英国、デンマーク、中国などに拠点を構えるノキアのワイヤレスモデム事業の従業員を承継するため、フィンランド、インド、中国に地域会社を新たに設立し、各地の従業員を11月30日付で新地域会社に移管するという。
やはり狙いは、携帯機器か。技術に定評のあるフィンランド企業の買収を機にその市場での確固たるポジションを確保する必要があるのだろう。今回の会社分割により、ルネサス モバイルは、その子会社も含めた全従業員約1,800人のうち、海外従業員比率が約75%に上る陣容となり、またひとつ海外移転の実例となる。
ルネサス エレクトロニクス株式会社リリース