ジュード・ロウ(1972~)
エド・ハリス共演、第二次大戦時におけるスターリングラードの戦いを舞台とした『スターリングラード』にて、実在のロシア狙撃兵ヴァシリ役を演じた俳優、それがジュード・ロウである。静けさ漂う落ち着いた雰囲気を醸し出しながら、かつ強固な意志と覚悟と情熱を感じさせる人物だ。
1972年、イギリスのロンドンにて生まれる。本名はデイヴィッド・ジュード・ヘイワース・ロウ。両親は教師。姉がいる。少年時代から演劇に興味を持ち、1984歳、12歳より演技学校にて勉学を始める。1989年、17歳、テレビドラマへの出演を契機に高校を中退。これより本格的に俳優としての活動に乗り出す。舞台俳優として地道に演技の才能を磨く。1993年、21歳、『ショッピング』にて映画初出演を果たした後、1997年、25歳、クリント・イーストウッド監督『真夜中のサバンナ』、アンドリュー・ニコル監督『ガタカ』などにて好演、これにて注目を浴びる。上記『スターリングラード』、トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ダニエル・グレイグら出演のヒューマンドラマ『ロード・トゥ・パーディション』、スタンリー・キューブリック原案、スティーブン・スピルバーグ監督、ハーレイ・ジョエル・オスメント主演『A.I.』、ニコール・キッドマン、レニー・ゼルヴィガー出演の文学作品『コールド マウンテン』といった作品にて好演を続け、映画俳優としての地位を固める。以後、ジュリア・ロバーツ、ナタリー・ポートマン共演『クローサー』、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ共演の伝記作品『アビエイター』、ジム・キャリー共演『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』、キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジャック・ブラックら共演のコメディ作品『ホリデイ』、テリー・ギリアム監督、ジョニー・デップ、ヒース・レジャー、コリン・ファレル共演『Dr.パルナサスの鏡』など、ヒューマンドラマからコミカルなものまで、幅広いジャンルの作品にて好演を続けている他、2009年、37歳、シェイクスピア劇『ハムレット』するなど舞台俳優としても活躍中である。
1997年、27歳、『ショッピング』にて共演した女優サディと結婚、3人の子どもをもうけるも、6年後の2003年、33歳にて破局。翌2004年、34歳、『アルフィー』にて共演した女優シエナと親密な関係を築くも、2年後の2006年、36歳にて破局した。ジュードの名はビートルズの楽曲『ヘイ・ジュード』に由来。ロンドンのフットボールクラブ、トッテナム・ホットスパーFCの熱心なファンである。
ちなみに、上記『Dr.パルナサスの鏡』は当初出演する予定では無かったのだが、主演のヒース・レジャーの急逝により、代役としての出演に至る。ヒース・レジャーは1979年、オーストラリア生まれ。『ブロークバック・マウンテン』におけるゲイのカウボーイ役、新バットマンシリーズの続編『ダークナイト』のジョーカー役など難しい役柄を見事に演じていた名俳優であったが、上記作品撮影中の2008年、28歳、薬物の中毒によって惜しくも永眠した。ヒースの代役を務めたジョニー、ジュード、コリンは、自分たちのギャラをすべてヒースの娘に寄付したという。流石は誉れ高き俳優たち、人間性に優れた行いである。――が、それにしても、このテリー・ギリアムという監督は、『バロン』、『ドンキホーテを殺した男』と良い、つくづく映画製作に困難が伴う人物である。果たして、諸般の理由で製作が完全に頓挫している上記後者の作品『ドン・キホーテ――』が、完成するか、どうか。
ムービーデータベース(IMDb、英語)<a href=" http://www.imdb.com/name/nm0000179/" target="_blank">Jude Law (IMDb、英語)</a>
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