ジョン・ウィリアムズ(1932~)
メル・ギブソン主演、アメリカの独立戦争を舞台とした『パトリオット』にて映画音楽を担当した音楽家、それがジョン・ウィリアムズである。音楽が映画を見事に語るという意味で、「一聞は百見にしかず」とも言うべき楽曲を描き、ジャズでもクラシックでもミュージカルでもない、映画音楽とした列記とした定義を打ち出す人物だ。『スターウォーズ』や『ハリー・ポッター』といったテーマ曲は特に、耳にするだけで映画作品を想起させてくれよう。

1932年、アメリカのニューヨークにて生まれる。本名はジョン・タウナー・ウィリアムズ。父は音楽バンド「レイモンド・スコット・クインテット」の著名なドラム奏者である。1948年、16歳、ロサンゼルスに移住。1950年、18歳、カリフォルニア大学へ進学。同時期より音楽への興味を強くし、作曲家のマリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコと共に、あくまで個人的な形にて音楽への探究を始める。1952年、20歳、米空軍に徴兵。空軍バンドとして音楽に携わる。1955年、23歳、退官後はジュリアード音楽学校へ入学、ピアノを中心に本格的な勉学を始める一方、スタジオやクラブにてジャズ・ピアニストとして活動する。1958年、26歳、テレビドラマ『ピーター・ガン』のサウンドトラック収録にて、ピアニストとして参加。これを契機にテレビドラマや映画の音楽に関わるようになり、『宇宙家族ロビンソン』、『タイムトンネル』、ピーター・オトゥール主演『チップス先生さようなら』、同じくピーター、オードリー・ヘプバーン共演『おしゃれ泥棒』、『屋根の上のバイオリン弾き』、ジーン・ハックマン主演『ポセイドン・アドベンチャー』といった数々の名作にて編集、作曲などを担当。これらの成功により大きな注目を浴びる。1975年、43歳、スティーブン・スピルバーグ監督のパニック・アクション傑作『ジョーズ』にてアカデミー作曲賞を受賞、これにて映画音楽家としての確固たる地位を確立する。以後、『E.T』、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『ジュラシック・パーク』シリーズ、『シンドラーのリスト』、トム・ハンクス主演『プライベート・ライアン』、レオナルド・ディカプリオ主演『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、トム・クルーズ主演『マイノリティ・リポート』、ダニエル・グレイグ出演『ミュンヘン』など、スピルバーグ監督の手掛ける他、ジョージ・ルーカス監督『スターウォーズ』シリーズ、J.K.ローリング原作のファンタジー傑作『ハリー・ポッター』シリーズなども担当、映画の世界観をふんだんに盛り込んだ、実に見事な音符を描き続けている。
1956年、24歳にて女優バーバラと結婚、3人の子どもをもうけ、1974年、42歳、彼女の生涯を共にした。1980年、48歳、サマンサと結婚し、現在に至る。日本の傑作SFアニメ、『攻殻機動隊』テレビシリーズの音楽を担当している菅野よう子を賛美している。
ちなみに、スティーブン・スピルバーグ監督、ドリュー・バリモア出演の『E.T.』のハロウィンの場面において、異星人E.T.が周りの人びとを追いかける際、そのバックミュージックとして掛かっているのは『スターウォーズ』シリーズの主要人物、E.T.と似た容姿を持つヨーダのテーマ曲である。これはジョンのさりげない遊び心である。
ムービーデータベース(IMDb、英語)John Williams (IMDb、英語)