HSBCは、2010年10月12日から、日本のHSBCプレミアの利用客を対象に、人民元普通預金・定期預金サービスの提供を開始することを発表した。
今回の人民元預金サービスの開始により、HSBCプレミアでは、南アフリカランド、ロシアルーブル、トルコリラなどの新興国通貨を含めて23通貨と、日本で最も多くの通貨の預金を取り扱うことになる。
同サービスは、日本のHSBC プレミアセンター、またコールセンターを通じて提供され、普通預金と、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の定期預金で、金利は最高で0.5%になる。また、人民元普通預金に関しては、グローバルファイナンス誌から賞を授与されたHSBC プレミアのインターネットバンキングで、残高照会、預金、振替を安全かつ簡便に利用できるとのこと。
取り扱われる主要国通貨は、アメリカドル・ユーロ・オーストラリアドル・ニュージーランドドル・イギリスポンド・カナダドル・スイスフラン・香港ドルの8種。新興国通貨は、シンガポールドル・メキシコペソ・南アフリカランド・ロシアルーブル・トルコリラ・デンマーククローネ・ノルウェークローネ・スウェーデンクローナ・チェココルナ・ハンガリーフォリント・ポーランドズロチ・アラブ首長国連邦ディルハム・クウェートディナール・タイバーツ・中国元の15種となっている。
ちなみに、HSBCグループとは、世界87の国と地域に8,000を超える拠点を擁し、2010年6月末現在で2兆4,180億米ドルの総資産を持つ世界有数の金融グループのこと。
HSBC プレミアとは、HSBCグループの個人向け金融業務で、マス富裕層にグローバルな個人向けウェルスマネジメント・サービスを提供しているサービスのこと。2000年からサービスを提供しており、世界の46の国と地域で350以上のHSBC プレミアセンター(店舗)を設置している。
日本においては、2008年1月に、預り資産残高が1,000万円以上の利用客のための専門銀行として、サービスの提供を開始し、現在では首都圏や関西圏などにHSBC プレミアセンターを展開している。
HSBC プライベートバンクは、日本では1996年に営業を開始し、金融資産3億円以上の利用客とその家族を対象に資産運用・投資に関するサービスを東京、大阪、名古屋において提供している。
世界のすう勢とリンクするのが、基軸通貨というステイタス。アメリカドルから中国元にシフトする可能性や、中国バブルへの警戒感もささやかれる中、市場の「主導権」争いは生き残りを巡るものになりつつあるようだ。
HSBCリリース