スティーブ・カレル(1962~)
ウィル・ファレル、ジャック・ブラック、ティム・ロビンス出演のコメディ作品、『俺たちニュースキャスター』に天気リポーター役として出演している俳優、それがスティーブ・カレルである。絶妙の間、仕草、表情により、とにかく無造作に笑いを誘う人物だ。

1962年、アメリカのマサチューセッツにて生まれる。本名はスティーブ・ジョーン・カレル。イタリア系の血筋、父はブラウン管製作の電気技師、母は看護婦である。カトリック家庭に育ち、少年時代はホッケーや音楽隊などの活動に参加するが、次第にラジオ局のニュースキャスターになりたいという夢を抱く。学生時代は演劇への興味も抱き始め、1980年、18歳、大学進学後は歴史学を修めると共に演劇の活動にも積極的に参加。この時分からコメディアンとしての天性の才能を示し始め、1984年、22歳、大学進学後はシカゴのコメディ劇団、「セカンド・シティ」に参加、舞台にてキャリアを重ねる。翌1985年、23歳からは俳優、及び脚本家としてテレビ番組製作に携わり、着実に実力を磨く。1991年、29歳、『カーリー・スー』にて映画初出演を果たすも、その後はテレビ製作の仕事を中心に活動する。1999年、37歳、レポーターとしてテレビのコメディ・ニュース番組『ザ・デイリー・ショウ』にレギュラー出演、同番組における圧倒的なカレルの存在感から大きな人気を博する。2003年、41歳、ジム・キャリー、モーガン・フリーマン共演『ブルース・オールマイティ』にて、ジムと争うニュースキャスター、エバン役を好演。翌2004年、42歳、『俺たちニュースキャスター』でも絶妙な演技を披露。これら作品の大成功により、コメディ俳優としての大きな注目を浴びる。2005年、43歳の頃には、ニコール・キッドマン、ウィル・ファレル共演『奥様は魔女』へ出演、また『40歳の童貞男』にてカレルが脚本、製作、主演を兼ね、この両作品とも大きな成功を収め、これにて確固たる地盤を固める。以後、テレビドラマ『The Office』、『ブルース・オールマイティ』の続編となる『エバン・オールマイティ』、アン・ハサウェイ共演『ゲット・スマート』、 アビゲイル・ブレスリン共演『リトル・ミス・サンシャシン』といったコメディ傑作への出演を続ける他、ブルース・ウィリス共演、ドリーム・ワークス社製作『森のリトル・ギャング』、ジム・キャリー共演『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』、ユニバーサル社初となる3Dアニメ『怪盗グルーの月泥棒』など、声優としても活躍をしている。尚、『怪盗グルーの月泥棒』は今月29日(2010年10月)より、日本にて公開予定。
1995年、33歳、女優ナンシーと結婚、2人の子どもがいる。少年時代に参加していたホッケーチームでは、ゴールキーパーを務めていた。偶然ながら、同じく少年時代にホッケーのゴールキーパーを担当していたコメディアン、それがジム・キャリーである。パックが自分に向かって来るまで時間のあるキーパー。ジム少年、カレル少年共、それまでの時間を有効に活用し、愉快な想像力に磨きをかけていたであろうか。
ちなみに、『ブルース・オールマイティ』は、神様が自分の役職をジム演ずるブルースに預けるというコメディ作品であり、作中には神様の電話番号「776-2323」が、画面の隅に一瞬だけ表示される一幕がある。この局番抜きの電話番号には現実に数十件の登録者がおり、映画公開後は彼らに迷惑電話が殺到したそうだ。まったく、暇な人々である。尚、アメリカにはこうした迷惑電話を防ぐ目的で、テレビ番組、映画などで使用出来る専用の局番「555」が存在し、映画ではこの局番を含めた番号を表示する事が通例となっている。神様もうっかりしたようだ。
ムービーデータベース(IMDb、英語) Steve Carell (IMDb、英語)