ジム・キャリー(1962~)
『ゲット・スマート』にてアン・ハサウェイと共演したスティーブ・カレルであるが、短い出演ながら、彼の存在感を存分に発揮せしめた作品がある。それが、モーガン・フリーマン共演『ブルース・オールマイティ』だ。同作品にてニュースリポーターの主人公ブルースを奔放に演じている俳優、それがジム・キャリーである。脚本に構わず次々にジョークや愉快な仕草を飛ばすアドリブ王であり、そのコミカルセンスは豪快かつ柔軟、身体表現に優れた人物だ。
1962年、カナダのオンタリオにて生まれる。本名はジェームズ・ユージーン・キャリー。父はフランス系の会計士、母はスコットランド系。1人の兄、2人の姉がいる。少年時代からコメディアンへの憧れを抱き、1977年、15歳にて高校を中退、地元オンタリオのコメディ・クラブの舞台に立ち始める。1981年、19歳、アメリカのロサンゼルスへ移住、スタンダップ・コメディアンとして舞台、テレビ番組へ出演、地道にキャリアを重ねる。1984年、23歳、映画初出演を果たし、クリント・イーストウッド主演『ダーティーハリー5』、『ピンク・キャデラック』などを経て、1994年、34歳、『エース・ベンチュラ』にてペット探偵なるエース役、続けてキャメロン・ディアス共演『マスク』にて銀行員スタンリー、及びスタンリーが変身した怪人マスクを主演。これら作品で自らの才能を存分に披露せしめたことから、コメディアン俳優として一気にスターダムを駆け上る。以後、『ライアーライアー』、モーガン・フリーマン、スティーブ・カレル共演『ブルース・オールマイティ』、ティア・レオーニ共演『ディック&ジェーン』、『イエスマン』といったコメディ傑作にて好演を続ける他、エド・ハリス共演『トゥルーマンショー』、伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンの伝記作品『マン・オン・ザ・ムーン』、フランク・ダラボン監督『マジェスティック』といったヒューマンドラマ劇、またジュード・ロウ、ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープら出演『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』のようなファンタジータッチのミステリー作品、『ナンバー23』のようなサスペンス劇など、幅広いジャンルへの出演を続けている。
1987年、25歳、女優メリッサと結婚し1人の子どもをもうけるも、9年後の1996年、34歳にて破局。翌1997年、35歳、女優ローレンと結婚するも、8ヵ月後に破局。後にモデル・女優のジェニーと親密な関係を築き、事実婚の生活を共にするも、2010年、48歳にて破局した。食生活はベジタリアン。ミャンマー軍事政権における諸問題の平和解決を願い、運動家アウンサン・スーチーの活動を支援している。
ちなみに、『マスク』に登場する銀行員スタンリーの愛犬、小型テリア犬のマックス君は、デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマンら出演、冷静時代における原子力潜水艦を舞台とした『クリムゾン・タイド』において、ジーン演ずるラムジー大佐の飼い犬としても映画出演を果たしている。賢いワンちゃんだ。
ムービーデータベース(IMDb、英語)jim Carrey(IMDb、英語)