ラッセル・クロウ(1964~)
コンモドゥス皇帝時代の古代ローマ帝国を舞台にした史実傑作、リドリー・スコット監督『グラディエーター』の主演を演じた人物、それがラッセル・クロウである。荒々しき躍動感に満ち溢れ、そして史実作品に程よく溶け込む人物だ。
1964年、ニュージランドのウェリントンにて生まれる。本名はラッセル・アイラ・クロウ。ノルウェー、アイルランド、スコットランドといった北欧系の血筋。両親が映画撮影現場に食事を提供するケータリング業者である。両親の仕事の関係で、幼少時代から映画界に大きな興味を抱く。1968年、4歳、オーストラリアへ移住。1970年、6歳、端役としてドラマ出演を果たし、その後はしばしばオーストラリアのテレビ番組にて子役として活動する。1980年、16歳、高校を中退し、ロックバンド「30 Odd Foot Of Grunts」にリードギターとして参加。同活動は現在も継続されている。1985年、21歳、再び演劇に興味を抱くようになり、オーストラリアの王立演劇学校へ入学、演技のキャリアを積み始める。1990年、26歳、オーストラリア製作の『ザ・クロッキング』で本格的な映画出演を果たし、数作品のオーストラリア映画を経て、1995年、31歳、レオナルド・デォカプリオ、シャロン・ストーン、ジーン・ハックマンら共演『クイック&デッド』にてハリウッド映画へ活動の幅を広げる。2000年、36歳、『グラディエーター』にてアカデミー主演男優賞、続けて2001年、実在の数学者ジョン・ナッシュをモチーフとした『ビューティフル・マインド』にてゴールデングローブ主演男優賞を受賞、これらの成功により映画俳優としての確固たる地盤を築く。以後、ナポレオン戦争時代のイギリス海軍を描く『マスター・アンド・コマンダー』、リドリー・スコット監督、デンゼル・ワシントン共演、1968年のアメリカンマフィアを描く『アメリカン・ギャングスター』、同監督、ケイト・ブランシェット共演、中世の実話を基にした伝記的物語『ロビン・フッド』といった、主に史実を加味した作品にて好演を続けている。
『プルーフ・オブ・ライフ』の共演者であるメグ・ライアンと一時的に不倫関係にあったが、その後破局。2003年、35歳、女優ダニエラと結婚、2人の子どもをもうけて現在に至る。ラグビーのファンであり、サウス・シドニー・ラビッツのオーナー。少々荒っぽい気性の持ち主らしく、度々、公の場で口喧嘩や暴力沙汰を起こし、スキャンダルの種となっている。酒豪であったが、妻ダニエルの妊娠を機に断酒している。
ちなみに、オーストラリア出身の映画人として、ラッセル・クロウ、ニコール・キッドマン、ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュの4人は、2009年、オーストラリアにて記念切手として描かれている。切手には役柄が描かれ、順に『グラディエーター』、『ムーラン・ルージュ』、『エリザベス』、『シャイン』となっている。……ところで、同じくオーストラリア出身の名俳優、ヒュー・ジャックマンは?どうやら今の所、彼はまだ切手になっていない様子である。尚、『オーストラリア』、『ムーラン・ルージュ』、『ロミオ&ジュリエット』といったミュージカル傑作を描いているバズ・ラーマン監督も、オーストラリア出身者。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Russel Crowe (IMDb、英語)