ティア・レオーニ(1966~)
2000年に公開されたハートフルなヒューマンドラマ『天使のくれた時間』は、アメリカ・クラシック映画の金字塔、フランク・キャプラ監督『素晴らしき哉、人生!』の物語の筋そのままであるが、なかなかの良作である。何と言っても、ニコラス・ケイジと共に主演を張った女優、ティア・レオーニが、この作品を明るく、優しく彩っている。
1966年、アメリカのニューヨークにて生まれる。本名はエリザベス・ティ・パンタレオーニ。父は弁護士、母は栄養コーディネーター。彼女の祖母が元女優である。ポーランド、及びイタリアの血筋。1982年、16歳、舞台芸術で有名な、ニューヨーク郊外のサラ・ローレンス大学へ入学するも、中退。女優としての本格的な活動を始める事を決意する。1984年、18歳、テレビドラマへ出演したのを皮切りに、以後、地道に経験を重ね、1991年、25歳、『スィッチ』にて映画初出演。1995年、29歳、マイケル・ベイ監督、ウィル・スミス主演の『バッドボーイズ』のヒロイン役をコミカルに好演して注目を集めた後、地球パニック物の名作『ディープ・インパクト』にて広く女優として認知されるに至る。スティーブン・スピルバーグ総指揮『ジェラシック・パークⅢ』、アダム・サンドラー主演『スパングリッシュ』にて、双方共に愉快な演技の実力を示した後、2005年、39歳、ジム・キャリーと共演したコメディ傑作『ディック&ジェーン』にて持ち前のコメディアンヌとしての才能を存分に発揮する。あのとてつもない、暴走機関車のようなコメディアン、ジム・キャリーと真っ向から共演するという挑戦的な行為であるが、エリザベスはこの作品の中で決して彼に負けてはいない。
結婚暦は2回。1991年、25歳、テレビのコメディ番組を担当していたプロデューサーと結婚するも、4年後に破局。そして1997年、31歳、俳優デヴィッド・ドゥカヴニーと結婚。いざこざがあった様子であるが、結婚生活は現在も続けられている。2人の子供がいる。尚、デヴィッドは『Xファイル』でお馴染みのモルダー捜査官。
ちなみに、上載の『ディック&ジェーン』にて強盗としてスターバックス風のコーヒー店に突入する場面があるが、ここでエリザベスがカウンター上を滑り落ちるのは予定された演出ではなく、完全なアクシデント。アドリブ王、ジム・キャリーがそのまま演技を続けているので映像はそのまま使用されているが、実はこの時、彼女は肩に大怪我を負っている。俳優も大変である……が、お陰で、この怪我に値する笑いを人々の届けられたはずだ。それほど出演作の多くない彼女であるが、またこうしたコメディの傑作に登場して欲しいものである。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Tea Leoni(IMDb、英語)