クリストファー・ウォーケン(1943~)
ウディ・アレン監督『アニー・ホール』では、フィリップ・シーモア・ホフマン主演の伝記映画『カポーティ』のトルーマン・カポーティ――『ティファニーで朝食を』を描いた小説家が思わず笑ってしまう形で秘かに登場しているのだが、それはさて、この作品への出演によって一気に知名度を上げた俳優、女優が多くいる。『エイリアン』シリーズでお馴染みのシガニー・ウィーバーもその1人であるし、登場するだけで作品の質を高めてしまう俳優クリストファー・ウォーケンもその1人である。
1943年、アメリカのニューヨークに生まれる。本名はロナルド・ウォーケン。父と母はドイツからの移民。父はパン屋、母は窓拭き人。3人兄弟の次男である。母ロザリアが強くスターダムの表舞台に対して憧れと興味を抱いていた事から、兄弟たちは少年時代から子役としてテレビ番組などに出演をしている。1961年、18歳、高校を卒業したロナルドは、俳優として働きながらホフストラ大学に通うも中退、ワシントンのダンススタジオでミュージカルダンスの技術を磨く事に専念する。作品の中で何かとキレの良い動きをする理由はこの経歴にあるのだ。そして1971年、28歳、ショーン・コネリー主演『盗聴作戦』にて映画デビュー後、1977年、37歳、『アニー・ホール』にて国際的に認知され、続くロバート・デ・ニーロ主演の『ディア・ハンター』にてアカデミー助演男優賞を受賞する。以後、そのキャリアに関わらずほとんど仕事を選ばずコメディ物から名作まで数多くの作品に登場している。『007』シリーズの『007 美しき獲物たち』、クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』、ジョニー・デップ主演『スリーピー・ホロウ』、スティーブン・スピルバーグ監督『キャッチミーイフユーキャン』、アダム・サンドラー主演『もしも昨日が選べたら』――等、である。
結婚したのは1969年、26歳の頃。相手はダンススタジオで知り合ったジョージアンである。子どもはいない。無類のネコ好きである。
ちなみに、アメリカにて35年間もの長寿番組となっているバラエティ番組、サタデーナイトライブに出演した際には遺憾なく自身の才能を発揮せしめ、コメディ演技賞なるものまで受賞している。神経質そうな悪役や奇抜な役が多いロナルドであるが、その実は驚くほど楽しい人なのだ。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Christphoer Walken(IMDb、英語)