ユマ・サーマン(1970~)
ショーン・ペンが天才ギタリストとして好演するウディ・アレン監督『ギター弾きの恋』にて共演し、その作品の中でしっかりと印象を残している女優がユマ・サーマンである。ブルース・リー・イエローとも言うべき衣装に身を包み、日本刀と怪しい日本語を振り回す『キル・ビル』の演技でお馴染みの彼女であるが、無論、刀が無くとも作品を華やかに彩ってくれる人物だ。ただひとつ諸賢にとって残念な事があるとすれば、ショーンと同様、彼女も動物愛護団体シーシェパードの支援者であるという点であるが……
1970年、アメリカのボストンに生まれる。本名はユマ・カルーナ・サーマン。名前のUmaは仏教学の大学教授である父親らしく、チベット語で中立的な態度を示すウマ・チェンポに由来する。少女時代から端正な鼻筋と長身に恵まれてはいたものの、得てして子ども連中の美的感覚というのは排他的なものであるからして、周囲からよく揶揄されていたとのこと。お陰で一時はBBD(身体コンプレックス)に悩まされるような時期もあったらしいが、これを克服し、1985年、15歳にて高校を卒業するとモデル業を目指す事を決意する。1986年、16歳、ファッションモデルとして活動を始め、1987年、17歳、『ミッドナイト・ガール』で映画初出演。以後、テリー・ギリアム監督『バロン』や『ジョニー・ビー・グッド』などで存在感を示して着実にキャリアを重ねる。1991年、21歳、クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』にて大人気を博して女優としての地盤を固め、『ガタカ』、『レ・ミゼラブル』、『ギター弾きの恋』、『ペイチェック』などに出演した後、2003年、33歳、同じくタランティーノ監督『キル・ビル』にて一層の人気を博する事となる。パトリック・スチュワートの関連で書かせて頂いたやも知れぬが、宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』英語版にて、クシャナの声を担当している。
1991年、21歳、リュック・ベッソン監督『レオン』のスタンス・フィールドや『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック役でお馴染みのゲイリー・オールドマンと結婚するも、2年で破局。1998年、29歳、俳優イーサン・ホークと結婚するも、こちらも2004年、34歳にて破局。現在は独身。子どもが2人いる。
ちなみに、上載『キル・ビル』映像の決闘場面の背景で流れている音楽は梶 芽衣子の『修羅の花』、この直前の殺陣場面にて流れている音楽は布袋寅泰『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY』。前者は映画『修羅雪姫』、後者は映画『新・仁義なき戦い』にて使用された曲である。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Uma Thurman(IMDb、英語)