レナード・ニモイ(1931~)
パトリック・スチュワートのピカード艦長が活躍した『新スタートレック』は、1966年から3年間に渡って放送され大人気を博した『スタートレック』の続編である。この『スタートレック』において誰よりも欠かせぬ人物――と言おうか、異星人Mr.スポックを演じたのが、レナード・ニモイである。
1931年、ボストンにて生まれる。ウクライナ移民のユダヤ家系にて生まれ、父は床屋。1939年、8歳、モーリン・オハラが出演している『ノートルダムのせむし男』を観て感動し、演劇に深く興味を覚える。同年、大衆劇の子役として舞台に参加しているが、これが彼の初めてのキャリアという事になろう。以後、カルフォルニア大学、ボストン大学の映画科を経由しながら、1952年、21歳の頃に映画初主演。1954年、23歳の頃に女優サンドラ・ソーバーと結婚するが、これは1987年、30年の結婚生活を経て破局を迎えている。俳優と共に、テレビ番組の映像作家や監督などの仕事を着実にこなしながら、1966年、35歳、ここで遂に彼の人生を決定付け、また多くの人々を今尚魅了し続ける『スタートレック』シリーズに携わる。このシリーズを通して、俳優としての演技と共に、作家としての実力も周囲に認められ、不動の地位を築く。ドラマ版『スパイ大作戦』のシーズン4、5にレギュラー出演、最近では『フリンジ』にも登場するなどテレビ番組への活躍の一方、製作者としても数多くの作品に携わっており、遺憾なくその才能を発揮している所である。現在、『アルマゲドン』『ザ・ロック』などの映画監督マイケル・ベイのいとこ、スーザン・ベイが妻で、1人の息子がいる。筆者にとって実に残念ながら、2010年4月11日、俳優業の引退を公式発表している。
ドラマ『LOST』の斬新の演出技法以来、すっかり注目されているJ・J・エイブラムス監督が昨年、映画『スタートレック』を製作した。ファンとしては些か不満の残る内容ながら、同作品の魅力を知りたい諸賢は必見である。78歳のレナード・ニモイも老いたMr.スポック役として、数分間だけ出演している。
ムービーデータベース(IMDb、英語)LeonardNimoy(IMDb、英語)