スタートレック(1966~)
パトリック・スチュワート、レナード・ニモイ、ウィリアム・シャトナーといった俳優たちが出演した『スタートレック』とは、一体どのようなドラマであろう?40年以上も世界中から愛され続けている同作品である。例え触れた事がなくとも聞き覚えがあり、加えて何らかの断片的なイメージを持っている諸賢も少なくなかろう。筆者の大雑把な表現を許して頂けるのであれば、この作品は「SF版サザエさん」と評したい。舞台は磯野家ではなく、宇宙船エンタープライズ号。この船を拠点にして、あらゆるジャンルのエピソードが咲き誇る。
先にも記したように、40年の歴史を持つドラマである。あまりに多くの作品が揃っている為、これから鑑賞してみようかなと興味を持たれた諸賢もその煩雑な全体像に挫折をしかねない。至って簡潔に整理させて頂こう。スタートレックは5本のTVドラマシリーズ、12本の映画で構成されている。それぞれ題名がややこしいので混乱してしまいがちであるが、ドラマ版は『スタートレック(旧題:宇宙大作戦)』、『新スタートレック』、『スタートレック:ディープスペースナイン』、『スタートレック:ヴォイジャー』、『スタートレック:エンタープライズ』、映画版は『スタートレックⅠ』~『スタートレックⅥ』、『ジェネレーションズ』、『ファーストコンタクト』、『スタートレック 叛乱』、『ネメシス』、『スタートレック』と続く。物語そのものの時系列に関しては概ね作品順の通りであるが、2作品だけ異なっている。最新のドラマ『エンタープライズ』、最新の映画『スタートレック』が、遡って過去の話を描いている。ドラマ版は順に、3シーズン、7シーズン、7シーズン、7シーズン、4シーズンのボリューム。もしこの全ての作品を鑑賞するとしたら、1日2時間ほど楽しむ計算で、1年半は掛かる。
非常に残念なのは、ドラマ版のレンタルが存在せず、手軽に作品を楽しめない点にある。レンタル店に置かれているのはドラマ版の特選集、そして映画版のみとなるが、スタートレックの魅力を知るには不十分だ。全てまともに購入すれば20万円近くの費用が掛かる。そんな余裕は無いがどうしても全作を観て見たいという諸賢は、身近にいるトレッキー(スタートレックの熱狂的なファン)を何とか掴まえて作品を貸して貰う事をお勧めする。
ムービーデータベース(IMDb、英語)STAR TREK (IMDb、英語)