ローワン・セバスチャン・アトキンソン (1955~)
ジェリー・ザッカー監督の痛快なコメディ映画『ラットレース』に出演した豪華なキャストの中に、ウーピー・ゴールドバーグ、そしてローワン・セバスチャン・アトキンソンがいる。奇しくも同じ年齢のこの2人であるが、ウーピーの名前の方がずっと認知されているに違いない。後者の俳優においてはあまりに「あの役」の印象が強過ぎる為、そちらの名前の認知が優先されている。ローワンこそ、世界中を腹の底から笑わせたネズミ色の背広を来た無言の男、ミスター・ビーンを演じた人物である。
1955年、イギリスのニューキャッスルで生まれる。父は農場経営者。2人の兄がいる。ニューキャッスル大学で電気工学を専攻するが、この時期から勉学よりエンターテイメントへの情熱を覚え始める。と言っても勉学の方も至って優秀であり、オックスフォード大学に進む。転機は1977年、22歳の頃に開催された文化イベント、エディンバラ・フリンジ・フィスティバル。ローワンは作家、主演としてコメディの舞台をここで披露せしめ、大喝采を浴びる。この経験に確信を得た彼は、1979年、24歳、大学卒業と共にテレビ番組の劇作家として製作に携わりながら、地道に自分の才能を磨く。1988年、33歳、テレビ番組の30分特番における一企画として、チャップリン喜劇を少なからず意識した『ミスター・ビーン』を製作、放送。これが瞬く間にイギリス中を笑わせたばかりか、そのおかしさは世界を駆け巡り、エンターテイナー、ローワンの名は不動のものとなった。コンスタントに映画俳優としてそれぞれの作品を盛り立てながら、現在に至る。2007年、52歳の頃には『Mr.Bean’s Holiday《Mr.ビーン カンヌで大迷惑!?》』というビーンの続編が公開され、相変わらずの人気振りを伺わせている。生活においては1990年、35歳の頃にひそかに結婚しており、2人の息子がいる。車を大破するような大事故を起こしたり、家族旅行中に乗っていた軽飛行機の運転手が心臓発作で気絶してしまったりと、まるで誠にコメディの如きアクシデントに遭遇しているも、本人は怪我ひとつ負わずぴんぴんしている。
ちなみに、彼の映画初出演は1983年、ショーン・コネリー主演の007シリーズ番外編『ネバーセイ・ネバーアゲイン』。出演は数分程度であり、かつカメラのアップも無いので見逃しがちであるが、よくよく観ると確かにローワンの演技が冴えている。
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