
こういうジャンルがあるのかは知らないがサッカー小説と呼ばれる作品は多々ある。春らしく暖かくなってきた今日この頃。サッカー小説を読んでウォーミングアップしてみてはいかがだろうか。
『よもぎ学園高等学校蹴球部』 松波太郎
不登校児を受け入れる私立学校のサッカー部を率いる女性教師。強豪国と対戦した過去の試合が伝える「生きる力」とは。第141回芥川賞候補にもなった青春小説『よもぎ学園高等学校蹴球部』とともに第107回文學界新人賞を受賞した『廃車』も併録されている。国立を目指すサッカーエリートも、原っぱでビールっ腹を揺らしてボールを追いかけるサッカーおじさんもみんなが楽しめる感動作品だ。
『龍時』 野沢尚
『青い鳥』(TBS)、『眠れる森』(フジテレビ)、反乱のボヤージュ(テレビ朝日)など多くのテレビドラマ脚本を手掛けた江戸川乱歩賞作家・野沢尚が綴る本格サッカー小説。作者の急逝により3シリーズまで発売された未完の作品であるが、サッカーファンからの評価も高く集英社でコミック化された。サッカー少年・志野リュウジがスペインのクラブや日本代表で活躍する様を書く壮大なサッカードラマである。
『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』 はらだみずき
小中学生向けの角川つばさ文庫から発売された青春サッカー小説。六年生になってレギュラーとキャプテンの座を失った主人公・武井遼介たちが新監督との出会いを通じて成長してゆく熱い作品だ。大ヒットした児童文学小説『バッテリー』の著者・あさのあつこさんが解説を書いているのでスポーツ小説の好きな方には是非おススメの一冊である。
これらの作品を通じてサッカーの素晴らしさをより感じることができることだろう。懐かしい青春時代を振り返るも良し、夢を注ぐクラブ活動の活力とするも良し。通勤・通学に一冊購入してみてはいかが?
よもぎ学園高等学校蹴球部 -文藝文春龍時 -文春文庫サッカーボーイズ 再会のグラウンド -角川つばさ文庫