
イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティに所属するエマニュエル・アデバヨールが先日、トーゴ代表からの引退を宣言した。ACモナコやアーセナルでも活躍し、ヌワンコ・カヌー(ナイジェリア代表)の再来とも称えられた26歳の長身ストライカーがアンゴラの地で味わった地獄の体験は残念ながら彼の心に深い傷を残したようだ。
内戦が絶えないアフリカ
今年の1月にアンゴラで開催されたアフリカ・ネーションズカップ2010に参加したトーゴ代表は同地で反政府ゲリラによる銃撃を受け、スタッフ2名が他界し、選手を含む数名が怪我を負った。トーゴ代表がトーゴ政府による指示のもと同大会への参加を取りやめ、同代表の主将を務めるアデバヨールは精神的に深い傷を負ったままイングランドの地に戻った。大会はその後、無事開催されたのであるが前代未聞の出来事に世界中のサッカーファンたちは深い悲しみを感じたことであろう。アンゴラでは1975年から2004年まで内戦が行われ、世界一多いとも言われる敷設地雷の数は1,000万個を超える。そもそも内戦は冷戦の煽りを受けた米ソの代理戦争であったのだが、内戦終了後も反政府ゲリラが存在し、このような事件が起こったことは非常に悲しいことである。アフリカ大陸では複雑な民族抗争なども絡んでこのような内戦が多数勃発しており、ルワンダで起こった紛争では100万人以上の人々がその尊い命を落とした。
アフリカを救うための基金
現在のアフリカ大陸は内戦、難民、貧困、病気など多くの問題を抱えている。そのような人々の苦難を救うために日本ではJICA基金というアフリカ支援活動がされている。心の中に何か感じるところがあれば基金に協力していただけるようお願い申し上げる。
もうすぐワールドカップが開催されるアフリカ。この世界規模のビッグイベントの中で少しでも悲しい争いがアフリカからなくなってゆくことを切に願う。
JICA基金(アフリカ支援) -独立行政法人 国際協力機構