株式会社高島屋(以下、高島屋)と東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、利用者の利便性の向上を図るため、2010年6月30日から、首都圏の高島屋11店舗の食料品売場(新宿店では各階)でSuicaが利用できるようになることを発表した。
今回Suicaを導入する11店舗は、JR線をアクセス手段にしている店舗が多く、Suicaとの親和性が高いため、高島屋では、普段Suicaを利用している人を新規顧客として獲得する狙いがあるとみられる。また、小額決済でレジ使用の頻度が高い食料品売場においては、Suicaによるスピーディな決済を実現することによる買物時間の短縮が、利用者の利便性向上につながる面も期待される。
なお今回のSuica導入は、高島屋とJR東日本の両社が参画し日本百貨店協会で定めた電子マネー導入スキームを百貨店として初めて活用した、百貨店では最大規模のSuica導入となる。
ちなみに、Suica(スイカ)とは、JR東日本を中心に導入されているFeliCaの技術を用いた乗車券や電子マネー等として利用できるICカードのこと。
百貨店も集客を高めるために、従来化粧品中心とされてきた一階部分を食料品売り場に置き換える業態変化が顕著となっているが、駅前の好立地を最大限に利用するには、買い物から駅の改札と導線をたどるなかでのカードの出し入れの手間が省ける利便性の向上は、歓迎すべき点といえる。ただ、日常の買い物で呼び戻せた客に、従来の百貨店ならではの商品の魅力を再認識させることができるのか。マーケティングは、知恵の絞りどころを見つける局面を迎えているのかもしれない。
東日本旅客鉄道株式会社株式会社高島屋リリース