フォレスト・ウィテカー(1961~)
デヴィッド・フィンチャー監督『パニックルーム』にて、ジョディー・フォスターとクリステン・スチュワートが演ずる親子を監禁する、良識のある窃盗犯人を演じたのが、フォレスト・ウィテカーである。物憂げな雰囲気の漂う大柄なこの黒人が画面に登場すると、絵に独特の趣が生ずる。
1961年、アメリカのテキサスに生まれる。本名はフォレスト・スティーブン・ウィッテカー。父は保険のセールスマン、祖父は小説家。2人の弟と姉がいる。1965年、4歳、人種差別の被害を受け、一家揃ってロサンゼルスへ移住。名門高校に通いフットボール選手として活躍するが、同時にミュージカルやオペラなどのクラシック音楽への興味も持つ。1979年、18歳、フットボールの奨学金を得てカリフォルニア州立大学へ進学。が、音楽への情熱がフットボールの魅力を越え、クラシック音楽や演劇を学ぶために南カリフォルニア大学へ移る。同大学で確かな実力を身に付けた彼は、1982年、21歳にて卒業すると、『リッジモント・ハイ』で映画初出演を果たす。舞台やドラマなどに出演してキャリアを重ね、1986年、25歳にてベトナム戦争作品の傑作『プラトーン』に出演、演技の実力が周囲に認められる。以後、日本の武士道をモチーフにした『ゴースト・ドッグ』、ロビン・ウィリアムズ主演『グッドモーニング、ベトナム』、先の『パニックルーム』、マシュー・フォックス出演の『バンテージ・ポイント』など様々なジャンルの傑作作品に出演、主演し、数々の俳優賞を受賞している。監督、脚本、製作を手掛ける事もあり、2009年、48歳、『かいじゅうたちのいるところ』では声の演技も披露している。
1996年、35歳にてケイシャと結婚、2人の娘、2人の息子がいる。ヨガや空手に通じており、特に空手は黒帯の実力者である。容姿の特徴として、左目が少々ドロップしているように見えるが、この症状は遺伝である。
ちなみに、日本らしい情感が適度に画面内に散りばめられている『ゴースト・ドッグ』にてフォレスト・ウィテカー演ずる暗殺者ゴースト・ドッグが車に乗ると、カメラがしばらく運転者視点になるシーンがいくつか存在するが、その際の音楽デッキのボリュームを見ると必ず「21」になっている。が、この数字に特別な意味は無いらしい。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Forest Whitaker (Wikipedia、英語)