ロビン・ウィリアムズ(1952~)
実話を基にした、悲惨さや過酷さに頼らぬ快いベトナム戦争作品、『グッドモーニング,ベトナム』にてラジオ局の上等兵を務めているのがフォレスト・ウィテカーである。そしてこのラジオ局で怒涛の如く言葉をかっ飛ばしているDJのエイドリアン役、これを演じているのが名コメディアンのロビン・ウィリアムズだ。ロビンは同作品で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。しかし明朗一徹な役の演技者だと安心してはならない。この俳優は至って真剣深刻な役も、時には狂気的な役も演じきってみせる人物だ。
1952年、アメリカのシカゴに生まれる。本名はロビン・マックライム・ウィリアムズ。父は名立たる大企業フォードの重役。2人の兄がいる。幼少時代はひどく大人しい内気な男の子だったようで母も心配したようである。しかし次第に天性の明朗さを発揮せしめた彼は表舞台への憧れを強くし、高校時代において学内劇へ積極的に参加、その後1972年、21歳、ニューヨークのジュリアード音楽院の演劇科へ進学する。新入生はたった20名の狭き門、しかも特別プログラムを受けられるのは2名だけという当学院において、ロビンは見事にその2名に属している。1976年、25歳、音楽院を卒業するとスタンダップ・コメディの舞台に立ち才能を磨き、1978年、27歳からテレビドラマに出演、これを機に彼の顔が知られるようになる。同時期、麻薬コカインの使用、アルコール中毒に苦しむも、比較的早い段階で克服。1980年、28歳、『ポパイ』にて映画初出演を果たすと確かな演技の実力が認められ、以後、『ミセス・ダウト』、『ジュマンジ』、『フラバー』、『もしも私が大統領だったら』、『ナイトミュージアム』などのコメディ作品から『ガープの世界』、『グッドモーニング,ベトナム』、『パッチ・アダムス』、『グッドウィル・ハンティング』などのヒューマンドラマまで、様々な傑作作品に出演を果たし見事な演技を披露せしめている。ディズニー傑作アニメ映画『アラジン』のバーニー役など、声優としても人気を博しており、その実力は確かだ。
1978年から10年間、1989年から20年間、という2度の結婚暦がある。3人の子供がいる。そのうち1人の娘の名は「ゼルダ」であるが、これはロビンが任天堂の名ゲーム『ゼルダの伝説』が好きな為。他、自転車やラグビーなどを趣味としており、特に自転車はロード・サイクリング用の本格的な車種を50台以上も保有している。
ちなみに、スタンリー・キューブリックの死去によりスティーブン・スピルバーグに委ねられた、オスメントやジェード・ロウらが出演する、人工知能を持つ少年の旅を描いたSF作品『A.I.』においてホログラム映像のDr.ノウの声を担当しているのがロビンである。この場面周辺にはあらゆる強烈なSFエッセンスが詰まっているので、このロビン節聞き逃した諸賢も多いのではなかろうか。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Robin Williams (Wikipedia、英語)