クリスチャン・ベイル(1974~)
マイケル・マン監督『パブリック・エネミーズ』にて、ジョニー・デップ演ずるデリンジャーを逮捕しようと奔走するFBI捜査官役を演じた人物、それがクリスチャン・ベイルである。影のある作品の中で、その影を十分に活かせる深みのある演技を披露せしめ、肉迫した登場人物を描き出す事の出来る人物である。
1974年、イギリスのウェールズにて生まれる。本名はクリスチャン・チャールズ・フィリップ・ベール。父はパイロット、母はサーカスのダンサー、祖父がコメディアン。姉が3人いる。少年時代はギターとバレット・ダンスに熱中するが、劇場で働いていた姉の影響を受け、次第に演技に興味を惹かれていく。1984年、10歳、演劇学校へ通いながら、本格的に俳優としてのキャリアを打ち出し始める。CM出演などを経て、1986年、12歳、ローワン・アトキンソンの舞台へ出演、翌1987年、13歳、スティーブン・スピルバーグ監督『太陽の帝国』の主人公に抜擢され、注目を浴びる。『ヘンリー5世』、『若草物語』といった映画やテレビにて地道にキャリアを積んだ後、『ベルベット・ゴールドマイル』、『アメリカン・サイコ』、『マシニスト』などの鬼演によって俳優としての地盤を固めた。以後、『バットマン』新シリーズのバットマン役、『ニュー・ワールド』、『プレステージ』、『ターミネーター4』など、主人公の深い存在感を必要とする作品へ出演を続けている。また、宮崎駿監督の日本アニメ『ハウルの動く城』のアメリカ版では、主人公ハウルの声を演じている。
2000年、26歳、ウィノナ・ライダーのアシスタント、サンドラと結婚、1人の子どもがいる。動物をこよなく愛し、動物愛護のチャリティーへ積極的に参加。しかし大いに残念ながら、動物愛護団体、シー・シェパードの支援者である。2008年、34歳、彼は2つの事件でゴシップを騒がせた。後に不起訴となるものの母と姉への暴行事件で逮捕され、『ターミネーター4』の撮影現場にて撮影監督に対し度の過ぎた罵声を4分間も浴びせ掛け、このテープが流出した。良くも悪くも何事に対しても真剣であるクリスチャンは、熱中し過ぎると前後の区別が付かなくなるようだ。
ちなみに、『マシニスト』では1年間不眠症を患い続ける主人公を演じた彼であるが、その役柄に合わせる為に日々をツナ缶1個、リンゴ1個のみで過ごし、30kgもの減量を行っている。そして、同作品に続けて『バットマン・ビギンズ』への出演が決まっていた為、6ヶ月間で22kg増量し、体を鍛え上げた。驚異的である。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Christian Bale (IMDb、英語)