ジャン・レノ(1948~)
リュック・ベッソン監督の『グラン・ブルー』、『ニキータ』、『レオン』といった名作品へ出演している俳優、それがジャン・レノである。スペイン系の味わい豊かな顔立ち、どっしりとした存在感を持つ彼は、物語に応じて善も悪も、静かな人物も動きのある人物も演じられる人物である。
1948年、モロッコのカサブランカにて生まれる。本名はジャン・モレーノ・イ・エデリック・ジミネス。両親はスペイン人。彼らはスペイン内戦後に台頭したフランシスコ・フランコの独裁政権から逃れて海を渡り、モロッコにて働いていた。1965年、17歳、フランスへ移住。俳優への道を志して演劇学校へ通った後、ロマンティック・コメディ、アクションなどのフランス映画作品へ端役として出演を続け、経験を積む。1988年、40歳、リュック・ベッソン監督が『グラン・ブルー』に抜擢、続いて『ニキータ』、『レオン』に彼を起用し、これらの作品、演技が大成功を収めた事で一気にスターダムを駆け上る。以後、『ミッション・インポッシブル』、『RONIN』などのアクション作品、『クリムゾン・リバー』シリーズ、『ダ・ヴィンチ・コード』などのサスペンス、ミステリー作品、『ピンク・パンサー』シリーズのようなコメディ作品と幅広い出演を続ける一方、その深みのある渋い声で『ライオン・キング』、『マウス・タウン』、宮崎駿監督『紅の豚』の主人公マルコのフランス吹き替えなど声優としても活躍している。
1977年、25歳、ジーンと結婚、2人の子どもをもうけるも、18年後の1995年、47歳にて破局。1996年、48歳にてナサリーと結婚、2人のこどもをもうけるも、5年後の2001年、53歳にて破局。2006年、58歳、ゾフィアと結婚、1人の子どもがいる。普段の生活の中では丸眼鏡を愛用しており、自身の眼鏡ブランド「ジャン・レノ・ブランド」を経営している。カトリック教。母国語であるスペイン語の他、フランス語、イタリア語、英語に堪能である。
ちなみに、ダン・ブラウン著の傑作ミステリーを原作とする映画『ダ・ヴィンチ・コード』にて、ジャンは主要登場人物の1人であるベズ・ファーシュ警部役を演じているが、実際、ダン・ブラウンはジャン・レノをイメージしながら同警部の事を執筆していたとの事である。また余談ではあるが、同作品の主人公であるラングドン教授役はトム・ハンクスにすっかり落ち着いているが、ビル・パクストン、ラッセル・クロウ、ヒュー・ジャックマン、ジョージ・クルーニーといった名が挙がっていた。他の3人はなるほどラングドン教授向きであるが、ヒュー・ジャックマンだけは想像が付かぬ。興味深い。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Jean Reno (IMDb、英語)