富士通株式会社(以下、富士通)と富士通フロンテック株式会社は、2012年9月26日、株式会社大垣共立銀行(以下、大垣共立銀行)の通帳・カードレスな「生体認証ATMシステム」を構築したことを発表した。
同システムには、富士通の「手のひら静脈認証技術」が活用されており、通帳やキャッシュカードが無くても、ATMの金融サービスが利用できるといったしくみが取り入れられており、9月26日から運用が開始されている。
大垣共立銀行では、東日本大震災時に、通帳やキャッシュカードを紛失された利用者が、必要な資金を即座に引き出せなかったことを金融業界の「課題」として捉えており、これまで必須とされてきた通帳やキャッシュカードといった、契約者本人と銀行口座を結びつける「手段」がなくても利用できる金融サービスが必要と考えたとのこと。
なお、ATMシステム自体は、富士通と沖電気工業株式会社との共同開発によるソフトウェア『UNISONATM+(ユニゾンATMプラス)』にて構築されている。
逆転の発想というべきかもしれないのだが、通帳やキャッシュカードが必要なければ、紛失や盗難の心配をする必要が無くなるということなのだろうか。そうではなく、たまたま「手段」を持ち合わせていない場合のみの補完機能ということのようだ。金融サービスの向上を図る上で、取引履歴というビッグデータの扱いが、これからのビジネスチャンスともいわれている。利便性の向上が取引の頻度を高め、ビッグデータの拡大が本来の金融システムを圧迫しないような配慮も充分に考慮していると願いたい。
富士通株式会社リリース