2008年リリース
幼い子供のヴォーカルで癒される聖夜。そんなクリスマスも一興だ。不安定で未完成な主役を、王道のアレンジと確かな演奏でしっかりと支える。極端すぎる若さと、経験豊富なヴェテランが見事に溶け合って、お互いの特徴を存分に引き出し合った、絶妙のバランスとチーム・ワーク。老若男女に受け入れられる、特大ストライク・ゾーンのクリスマス・アルバムだ。
(画像はAmazonより)
子供だけが持っている、あどけなさと純粋な部分。大人になると、人との出会いや様々な社会経験によって、知らないうちに失ったり捨てなければならない部分でもある。そんな懐かしい部分をくすぐられると、自分の成長を感じるとともに、学生時代の良い思い出を振り返ってあの頃に戻りたいと思ってしまう。しかしその願いは叶わないと誰もが知っている。自分が失った部分を全て持っていると感じるヴォーカルは、とても眩しい。その眩しさが大人を惹きつけるのかもしれない。
エルヴィス・コステロがカヴァーした“She”は、大人の雰囲気が漂い、まさに大人のためのバラードだった。アダルトなアレンジで子供が歌えば、それはもう大人だけのものではない。クリスマスは全ての人に平等に訪れる、幼いヴォーカルを介して表れる主張が妙に心地良い。
(松本 良太)
収録曲
1. Jingle Bells
2. Moon River
3. She
4. Wonderful Christmastime
5. Winter Wonderland
6. I Need to Be in Love
7. Santa Claus is Comin' to Town
8. Deck The Halls
9. Silent Night
10. The Christmas Song