2011年リリース
シングルをリリースするとB面は必ずカヴァー曲を収録し、A面を喰ってしまうぐらいのクオリティでカヴァーには定評のある彼女が、満を持してカヴァーアルバムをリリースした。カヴァーアルバムを楽しみにしていたファンは多いはず。
(画像はAmazonより)
カヴァーといえば大きく分けて原曲に忠実か、原曲とは違うアレンジでガラっと様変わりするかであるが、彼女の場合は明らかに後者である。彼女の支持層である20代から30代の男女が生まれた頃もしくはそれ以前の歌謡曲を選択し、それを彼女のオリジナル作品に施すアレンジと同様の作業で、埋もれかけた古き良き楽曲たちを現代のポップスに仕上げている。しかしそれは決して独り善がりではない。原曲の持つ雰囲気に合わせながら、安藤裕子風の味付けを加え、そして聴き手を満足させるという3者がハッピーになる最善の方法をとっている。
おそらくライヴでは古の楽曲たちとともに彼女特有の妖しさで会場を包み込むだろう。
(松本 良太)