2009年リリース
まさに鍵盤が跳ねている。彼女のダイナミックなタッチによって、ピアノに息が吹き込まれる。今にも隣で動き出しそうなほどの躍動感。彼女が演奏中に思い浮かべる景色があるとするならば、その音からイメージを共有することができるはずだ。実際にこの作品を聴いていくと、縦横無尽に動き回る鍵盤の音からいくつかの映像が見えてくる。
(画像はAmazonより)
主軸を構成するピアノに加え、ドラムとベースがサポートで隠し味程度に入っている。その分量はさりげなく、決してピアノを邪魔しない。ドラマティックな展開を演出することだけに用いられ、それ以上の主張はしない。どこか職人気質のようなリズム隊の存在によって、ピアノの魅力が引き立っている。少ない楽器でこれだけの奥行きを表現した作品に出会うことはなかなかない。自由度の高いピアノとそれに寄り添うドラムとベースは深い関係を築いているはずだ。そのことで共通した意識が芽生え、演奏にもいい影響をもたらしている。作品を聴いて映像が見えてくるということはその影響の証明ではないだろうか。
最近は報道ステーションのテーマ曲にも抜擢され、活躍の場を着実に広げている。これからの活動も目が離せない。
(松本 良太)
収録曲
1.My Little Blue Sweetie
2.Jungle Book
3.Sleeping Tiger
4.My Favorite Things
5.ESP.
6.Interlude
7.Goodbye at 12:00 A.M.
8.Goin' Home
9.Summertime