日本事務器株式会社は、2012年4月9日から、大学図書館情報システム『ネオシリウス・クラウド』の販売を、開始している。
同システムは、既存の大学図書館情報システム『ネオシリウス』の機能を継承しつつ、アプリケーション、運用サポートをクラウド型で提供するというもので、クラウド型による、サーバの運用費用及び管理者の工数削減や、大学が定期停電中でも、学外から「OPAC」の利用が可能となるといったメリットがあるとのこと。
販売価格は、月額165,000円から。同社では、今後3年間で、50館導入を目標としている。
また、データセンターは、日本国内に開設され、さらに、「IPsec-VPN」通信への対応や、契約期間中の、最新バージョン維持、自動バックアップ機能などのサービスも盛り込まれている。
ちなみに、「OPAC(Online Public Access Catalog)」とは、オンライン経由でPCやスマートフォン、携帯電話から蔵書の検索が行える仕組みのこと。また、「IPsec-VPN(IPSecurity-VirtualPrivateNetwork)」とは、インターネット通信の途中での盗聴や改ざんなどを防ぐためのセキュリティ技術。
ただ、古くは、2010年3月の岡崎市立図書館や東京都中野区の図書館などのシステム障害や、2012年1月に新システムに切り替えた国会図書館での、たび重なるトラブル発生をみるにつけ、運用時のログデータ等の扱いや、監視機能を現場担当者が使いこなせていない、といった運用時の不備があからさまになってくる。
そういった面倒な運用作業を「雲の向こう」でまかなってくれるのは、現場としては、文字通り「助かる」心持ちといえるだろう。加えて、リソースの豊富なクラウド環境により、「ファセット・ブラウジング(利用者が、あらかじめ用意された検索条件を選択できる検索手法)」や、「ディスカバリサービス(情報のインデックス化により、単一のインターフェイスで様々な検索サービスを提供可能とするサービス)」といった機能も搭載されている。大学図書館としている点がミソともいえそうだが、一定水準の効果は、期待できるのかもしれない。
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