今年もWOWOWで生中継
今年も、グラミー賞の季節がやってきた。日本では2012年2月13日の午前9時30分から、WOWOWで生中継が予定されている。世界中で売れた楽曲及びミュージシャンから、音楽文化の発展に深く貢献した楽曲及びミュージシャン、そしてプロデューサーなど裏方に至るまで、広く表彰するのがグラミー賞の特徴だ。
(画像はWOWOWオンラインより)
世界が注目しているのは、やはりレコード・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀レコード)だろう。6部門にノミネートされたAdeleの“Rolling In The Deep”、3部門ノミネートのBon Iverは“Holocene”、6部門ノミネートのBruno Marsからは“Grenade”が選出された。他にもMumfort & Sonsの“The Cave”、Katy Perryの“Firework”がノミネートされており、どの曲も年間最優秀レコードにふさわしい作品だ。特にBon Iverは、日本でも雑誌等で紹介され、彼を高く評価している評論家も多い。
(画像はWOWOWオンラインより)
アルバム・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀アルバム)で注目すべきは、震災直後の日本にいち早く訪れ、話題を振りまき日本を勇気づけたLady Gagaの『Born This Way』だ。タイトル曲は日本でもCMに使用されたりと、日本人には馴染みの深いミュージシャンの一人。若い男女、そして同性愛者からも圧倒的な支持を得る彼女。昨年の勢いそのままに、年間最優秀アルバムを受賞してもおかしくはない。他にも、昨年活動を再開したFoo Fightersの『Wasting Light』などにも注目したいところ。
ベスト・ニュー・アーティスト(最優秀新人賞)にノミネートされた新人たちの中で、グラミー賞の象徴とも言うべき選出であるのが、カントリー・バンドのThe Band Perryだ。昨年の第53回グラミー賞では、同じくカントリー・バンドのLady Antebellumが5部門受賞という快挙を成し遂げている。カントリー・バンドが高く評価されるアメリカ及びグラミー賞だけに、彼らが受賞する可能性は大きい。
大きく票が分散しそうな部門は、ベスト・ロック・アルバム(最優秀ロック・アルバム)ではないだろうか。熟年世代に支持層を持つJeff Beckの『Rock’N’roll Party Honoring Les Paul』をはじめ、年間最優秀アルバムに続きノミネートされた、Foo Fightersの『Wasting Light』、若手有望株のKings Of Leon『Come Around Sundown』、ベテランの域に達しつつあり、風格も漂ってきたRed Hot Chilli Peppersの『I’m With You』、カントリー勢からはWilcoの『The Whole Love』が選出された。この5つのノミネートの中から最優秀ロック・アルバムが決まるのだが、どの作品も個性的でそれぞれの魅力があり、票を持つ音楽関係者を最後まで悩ませるに違いない。
昨年の第53回グラミー賞では、ジャズピアニストの上原ひろみが参加したスタンリー・クラーク・バンドが最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバムを受賞したのをはじめ、クラシック・ピアニストの内田光子が最優秀インストゥルメンタル・ソロリスト・パフォーマンスを受賞し、松山夕貴子が最優秀ニュー・エイジ・アルバムを受賞、そしてB’zのギタリスト、松本孝弘がジャズ・プレイヤーのラリー・カールトンと共演したアルバムで最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバムを受賞。日本勢で4つの部門を受賞する記念すべき回となった。去年のLady Antebellumの5部門受賞に続く大波乱があるのか、今年のグラミー賞も観応えのある回となりそうだ。
(松本 良太)
WOWOWオンライン 第54回グラミー賞授賞式GRAMMY.com