株式会社SBI証券は、2011年5月30日から、東京、名古屋、福岡、札幌の各市場の株式現物・信用取引における新たな条件付注文の種類として、「IOC注文」サービスの提供を開始している。
今回のサービス開始により、利用者にとっては、「(売買注文状況を示す板を見て)この条件であればただちに約定させたい、ただちに約定できなければキャンセルしたい」という“柔軟な”発注方法が可能となるとみられている。
「IOC(Immediate Or Cancel order)注文」とは、指定した値段か、それよりも有利な値段で、即時に一部あるいは全数量を約定させ、成立しなかった注文数量を失効させる条件付注文のこと。
IOC注文のメリットとしては、相場急変時に未約定分の注文が約定してしまうリスクが回避できる点、“不公正取引”と判定されるリスクを軽減できる点などがある。
システム化による取引のスピードアップが個人投資家を苦しめているが、今回のサービス開始により、リスク回避の面からは、市場に振り回されなくなる可能性を期待できるのかもしれない。ただ、待ちの時間を極力抑えることで、準備しておく“引き出し”数の価値が上昇することも考えられ、一層の事前調査に要するコストは重くのしかかってくるのではないだろうか。余裕があれば、試してみたい一手法ともいえよう。
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