日本テクトロニクス株式会社は、2011年1月13日、優れたスペクトラム/ベクトル解析を可能にする新製品RSA5000シリーズ・シグナル・アナライザを発表した。
RSA5000シリーズとは、同じ価格帯の製品と比較して2倍のアクイジション帯域(取り込み可能な帯域幅)と、世界トップクラスのリアルタイム性能を実現したミッドレンジ・シグナル・アナライザのこと。観測時間の短縮、低コストを実現し、組込み 無線通信、ノイズ、EMI/EMC(電磁干渉/電磁両立性)、スペクトラム管理、レーダ、防衛など、さまざまな設計、運用アプリケーションに最適とされている。
無線通信(RF)信号はますます複雑になり、ISMバンド(産業科学医療用周波数帯域)の通信が爆発的に普及しており、また、デジタルRFを採用した無線技術が、携帯、PCなどあらゆる機器に搭載されている背景から、設計におけるデバッグでは、デジタルRF回路によって発生する間欠的な異常現象を確実に、効率的に検出することが求められており、従来のシグナル・アナライザは間欠現象にトリガを掛けることはできず、ミッドレンジにおける最大取込帯域も40MHzであることから、ISMバンドの解析には不十分であった。
今回発表するRSA5000シリーズは、そのようなエンジニアの課題に対応するシグナル・アナライザとなっており、優れた時間/振幅/DPXRトリガとDPX掃引機能を持ち、最高85MHz帯域幅の間欠信号、急激に変化する信号を検出して取込むことができるというもの。
また、時間相関が取れるマーカを使い、取込んだデータを任意のドメインでいつでも解析することができるため、トラブルシュートのスピードアップが可能で、自動パルス測定/検出機能では、1回の取込データからさまざまな測定を行うため、テスト時間を短縮でき、複数のテストを1台の計測器で実行できるため、テストにかかるコストも低減されるとのこと。
ちなみに、テクトロニクスとは、米国オレゴン州ビーバートンに本社を置く、現在世界22カ国で事業を展開している、計測およびモニタリング機器メーカのこと。
利用者の増加に機器あるいは回線の容量がおいついていないいまだからこそ、その対応となるべき適切な無線の利用ルールを整備すべきであり、その解析に有用になるのであれば、越したことはない。
日本テクトロニクス株式会社リリース